本年度はアドバイザー会議をオンラインで6月27日に開催した。出席者は以下の通りである。
(学外委員)
東城 幸司 信州大学 副学長
増澤 武弘 静岡大学 防災総合センター客員教授
渡辺 悌二 北海道大学 地球環境科学研究院 教授
(学内委員)
津村 義彦 センター長
石田 健一郎 副センター長
出川 洋介 山理解領域長(菅平高原実験所長)
清野 達之 山管理領域長(八ヶ岳演習林長)
興梠 克久 山活用領域長
門脇 正史 筑波実験林長
山川 陽祐 井川演習林長
本会議では筑波大学山岳科学センターの2023年度の活動報告を行い、各委員から様々な意見を頂いた。頂いた意見を十分に取り入れて今後の当センターの活性化や発展のために尽くしていく予定である。以下にその内容を記載(議事メモ)しておく。●印は外部委員からの質問または意見、◎印はその質問への回答である。
津村センター長から、資料に基づき説明があり、外部委員から次のとおり、意見があった。
●運営費交付金の削減がありながら、研究費として外部資金、受託研究が3割増となっているのはインセンティブ的なものがなされているのか。
◎地球環境規模、科学研究費基盤Aの大型予算獲得、センター内の戦略的なイニシアティブ経費として申請による個別調査研究、論文出版支援経費を捻出して活性化を促している。
●山岳学位プログラム学生数について、修士1年生19名、修士2年生11名となっているが菅平常駐がそれぞれ修士1年生4名、修士2年生1名とあるが、他のステーションには学生はいないのか。
◎募集人員は1学年20名となっている。また、八ヶ岳や井川にも修士の学生がいるが常駐はしていない。
出川領域長から、資料に基づき、領域概要等についての説明があり、外部委員から次のとおり意見があった。
●田中健太先生の報告がなかったように見受けられるが、何故か。
◎部門のまとめとして大型科研費、外部資金(環境省)等の対応業務多忙なため期限内報告ができなかった。
●研究所の横のつながり、分野間セミナーは継続実施して分野を跨ぐ活動となっているのが斬新な活動であり、有機的な研究ができているのでセミナーを通じた山関連の協力をお願いしたい。
清野領域長から、資料に基づき、領域概要等についての説明があり、外部委員から次のとおり意見があった。
●森林管理、森林内のレクリエーションについて、興味のある院生等を絡めるなど継続調査してほしい。
●赤崩れが演習林に接しているので、研究成果の報告が期待されますが何かあるか。
◎崩壊地ということで報告をまとめる予定だが、コロナ禍もあり手がついていないものの、近日中にまとめる予定である。
興梠領域長から、資料に基づき、目標概要等についての説明があり、外部委員から次のとおり意見があった。
●シカの個体数を減らす点について、肉ジビエも停滞しているので、多用途利用が高まるような試みを行っているのか。個々の部分は発展的に進めていただきたい。
◎都道府県の事例として、兵庫県を検討していて、他省庁と一緒に皮、角、骨など収益がないが多用途利用が高まるような調査も中長期的に実施している。
●3つの領域の分野、領域が違うのに味噌玉研究で各領域がつながっている。発酵食品など企業との連携もつながっていくので、多いに期待したい。
◎発酵は元々菌によるものであり、菌に注目すれば「理解」にもなり、上手に使っていくと「利用」「管理」になって、製品化すると「活用」になるので、そのような流れができかけている。
出川所長から、資料に基づき説明があった。
清野林長から、資料に基づき説明があった。
山川林長から、資料に基づき説明があった。
門脇林長から、資料に基づき説明があった。
全体を通した助言を各委員よりいただいた。
●井川演習林についてはたくさん意見があるが時間がなかったので、直接山川先生と相談する機会を設けたい。全体を通して成果のところを見ると、論文数も含めてよく頑張っていると思う。
●3つの領域の分野がそれぞれ離れた場所にあるので連携が難しいと思っていたが、その中でも連携しながら進められている。センターとして、領域間で議論する場があるのか。
◎運営委員会は毎月、その他にも不定期ではあるがステーション間で個別に実施している。繊維のように発展するようなことを引き続き、企業等とも連携して行っていく。
●例年のように活発に運営されており、一方で教員の人員が限界に近いことも把握している。ところで、情報共有として、キルギス国が主導で国連に書類を出して国際山岳大学を設置する計画がある。担当教員の負担増にならないように、オムニバスで講義等を行うものである。外部資金の獲得、海外の学生がオンラインで参加する等の要請が我が国にも来ている。今後情報があり次第、提供するので筑波大学の山岳科学センターもこれに協力できるようにご検討いただきたい。
◎国際山岳大学については、情報が届き次第センター内で検討する。
◎大変有難いコメントをいただき感謝する。今後も先生方のコメントをいただき活性化できるよう、引き続き、よろしくお願いしたい。