井川演習林 利用の誘い
演習林スタッフとしては、筑波大学内外の教員や学生、研究者の方々に井川演習林を研究の場としておおいに活用してほしいと願っています。 このページでは井川演習林の特徴や先行研究、観測データ、施設、設備などを紹介します。
演習林内の急峻な地形
上空から見た崩壊地
1. 研究資源
◎崩壊地
井川演習林の約110haは崩壊地となっていて、現在でも活発な土砂移動が発生しています。
これだけの土砂移動や地形形成活動を観測できる山岳サイトは、演習林に限らず、日本の大学では他にはありません。
◎先行研究事例(一部抜粋)
クマが歯でかじった痕
クマハギの被害にあったヒノキ
◎クマハギ
井川演習林では、クマがヒノキ等の樹皮を剥いで形成層をかじるクマハギ被害が1993年から報告されています。
これまでにクマの捕獲、樹木へ忌避剤の塗布やネットの巻きつけ等による防除を行うとともに、クマハギの分布や経年変化、
発生メカニズムなどについて調査研究しています。
◎先行研究事例(一部抜粋)
気象観測地の様子
◎生物相
演習林は教育研究の場所ですので、基礎データとしてどのような生物がいるのか調査してまとめています。
これらの調査結果の一部は動植物インベントリーにまとめてあります。
・植物相(1966、2001、2011、2012年発表)
・鳥類相(2012年発表)
・昆虫相(2006年発表)
・蛾相(1975年発表)
◎気象・流量データ
生物相と同様に基礎データとして気象(1968年〜)と演習林内を流れる河川の流量(2010年〜)の観測をしています。
気象観測結果の一部は気象データにまとめてあります。
◎森林管理履歴
1964年から人工林施業をはじめました。施業の記録は実施した年代順にファイルされていただけですが、
2010年にデータベース化し小班ごとに時系列に沿って整理しました。また、小班図をGISに取り込みました。これらを2015年からWEBで公開しました。
詳しくは森林管理履歴をご覧ください。
◎DEMデータ
井川演習林の平均斜度は38-40度と非常に急峻で崩れやすく複雑な地形をしています。このような地形を正確に把握するため、
2007年演習林全域を対象に航空レーザー測量を行いました。DEMの解像度は1m/pixel、空中写真の解像度は40cm/pixelです。
DEMを利用することで次のような図面を作成することができます。
標高分布(PDF 176KB)、
傾斜分布(PDF 325KB)
研究者の方には提供可能ですので、お問い合わせください。
平面図
無岳作業所の外観
2. 施設・設備
井川演習林の管理事務所と現場は車で約1時間離れています。ここでは管理事務所と現場にある施設と設備
(大型または特殊なもの)について個別に紹介します。
◎現場