川上演習林の更新計画
最終更新日:2018/02/13
このページの目次
●概要
●更新区の場所
●面積と履歴(更新区1)
●写真集
●基盤調査(モニタリング)
●間伐・更新全体計画図(pdf, 1.3MB)
●更新区1の詳細図(pdf, 2.1MB)
●更新区1の詳細図、森林組合測量版(pdf, 0.8MB)
●調査研究や実習等での利用
概要
川上演習林は、筑波大学が長野県南佐久郡川上村から分収契約によって地上権を借りている面積189ヘクタールの山林です。うち約70%を占める人工造林地(主にカラマツ林)においては、1978年を最後に植栽が行われてこなかったため、林齢構成が著しく偏り、若い林が存在しません。
そこで、2016年度からカラマツ人工林の再構築を始めています。国の補助制度を活用するために、長野県や川上村、南佐久南部森林組合と協議しながら、筑波大学演習林としては初めて森林計画制度にもとづく森林経営計画を立案して進めています。
実施内容の概要は以下の通りです。下にある地図もご参照ください。
更新区の場所
更新する場所は下図の通りです(2017/06/29天然林・人工林で色分け)。2か所の更新区のうち、更新区2では実際の伐採が始まるのが2019年度ですので、まだ細かい区画は決まっていません。2017年度から伐採が始まる更新区1では、1ヘクタール未満の伐採区画と伐採年度がほぼ決まりました。
もう少し精度の高い地図(pdf, 1.3MB)はこちらからダウンロードできます。更新区1の詳細図(pdf, 2.1MB)はこちらから。作業前に受託先である森林組合が測量して微修正をしています。森組測量版(pdf, 0.8MB)はこちらからダウンロードできます。ただし、紙でもらったものをスキャンしてGIS上でトレースしていますので、林道や林班界とは少しズレがあります。川上演習林では2012年に航空測量を行っており、5千分の1地形図や空中写真も提供できます(基盤データのページ)へ。
※森林組合による測量の結果、最終的な皆伐地の境界には微修正があります。

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面積と履歴(更新区1)
2017年度から伐採(皆伐)が始まる更新区1の区画別面積等は以下の表の通りです。上の地図と合わせてご利用ください。同じ内容のcsvファイルはこちらからダウンロードできます。
プロット名 | 面積(ha) | 植栽年度 | 大学林班 | 大学旧小班 |
---|---|---|---|---|
皆伐2017A | 0.95 | 1962 | 1 | ろ3 |
皆伐2017B | 1.02 | 1963 | 1 | ろ5 |
皆伐2017C | 0.79 | 1961 | 1 | ろ2&ろ7 |
皆伐2017D | 0.69 | 1963 | 1 | ろ7 |
皆伐2022A | 0.95 | 1962 | 1 | ろ3&ろ5 |
皆伐2022B | 0.79 | 1961 | 1 | ろ1&ろ3 |
皆伐2022C | 0.88 | 1963 | 1 | ろ7 |
皆伐2022D | 0.83 | 1963 | 1 | ろ7 |
皆伐2027A | 0.99 | 1962 | 1 | ろ3 |
皆伐2027B | 0.75 | 1961 | 1 | ろ2 |
皆伐2027C | 0.85 | 1963 | 1 | ろ7 |
皆伐2027D | 0.86 | 1963 | 1 | ろ7 |
未更新地A | 0.68 | 1962 | 1 | ろ3 |
未更新地B | 0.13 | 1963 | 1 | ろ7 |
写真集

一部では研究のため下層木の枯損処理
(2016/06/12「皆伐2017A」プロット)

歩道沿いの明るいカラマツ林
(2016/05/16「皆伐2017A」プロット)

2016年度には間伐材を集材して出荷
(2017/05/10「更新区2」近くの土場)

2018年1月に大規模な伐採が行われています
(2018/01/18「皆伐2017A区」)
基盤調査(モニタリング)
せっかくの本格的な森林更新ですから、八ヶ岳・川上演習林としても伐採前から基盤的なモニタリング調査を実施しています。予算も人員も限られていますが、2017年7月末に下記のような機器を設置してデータを収集中です。
調査研究や実習等での利用
更新区内では2017年度から1ヘクタール未満の皆伐地がモザイク状に生じます。2017年度に4か所、最終的には24か所の予定です。これらを活用した調査研究や教育利用を学内外を問わず歓迎します。
フィールドワークにとっては調査地はきわめて大事なことは皆さんご存知の通りです。大学演習林であれば過去のデータ蓄積もありますし、長期的な研究計画も立てられます。今回は、大学演習林としては珍しく、一定規模の民営林として「(補助金を使えば)林業として成り立つ更新」を目指していますので、経営学的な事例研究も可能です。