4−5.草花ゾーン
- 施設エリアの北東側を夏には高原の花が咲く野草地とします。これにより建物の散在する施設エリア全体が明るくなります。原則として播種や植栽、選択的な除去などは行わず、草刈りだけの管理とします。草刈りの頻度は区画によって年1回から3回まで変化を持たせます(付表2の備考欄参照)。
- すでに草地化している区画(NI-05, NI-07, NI-09)は、そのまま維持します。NI-05の南側に列状に植えられていたストローブマツとチョウセンゴヨウは、草地への日射を妨げていたので2013年度に伐採しました。
- 実習でストローブマツを伐採してきたNI-10については伐採木を1か所に集めて片づけ、伐採跡地には乗用草刈り機が入れるようにします。
- ストローブマツとコメツガが植栽されているNI-08と、実習でストローブマツを伐採してきたNI-11については、見本となる数本を残して草地化します。
- 現状でススキ原に低木が混じっているNI-06は、一部の木は残しつつ、数年間強度の草刈りを実施してススキを排除したうえで、他と同様の草刈り管理に移行します。
- 管理棟から実験棟への道の北側(NI-02)は常緑針葉樹が茂って暗くなっていますので、一部の保存木を残して2013年度のうちに除伐しました。同じくその南側はカラマツが大きくなりすぎているので、2013年度から2014年度に伐採しました。

実習で皆伐して3年後の草地
今年はオミナエシやワレモコウ、コオニ
ユリなどが咲きましたが、このまま放置
するとススキ原になります。
4−6.湿生植物ゾーン
- 野辺山地域にはもともと湿地が点在していたと考えられます。構内にもかつては湿生植物がもっとあったということなので、その再生を目指して湿生植物ゾーンを設けます。
- 南寄りのズミ林内で比較的樹木密度の低い場所(SI-15)を湿生植物ゾーンとします。
- ここはススキが優占していますので、2015年度から樹木を伐採したりススキを刈り取るなどして少し時間をかけて湿生植物の再生を図ります。

サクラソウ
湿地や草地はある程度の管理をしない
とこうした草花は消えていきます。
4−7.遊歩道の整備
- 現在、いつでも歩ける既設部分は約1,270m、ほぼ歩ける部分が350mあります。加えて、あと1,900mほどを新たに整備します(2014年度整備のズミの小道220mを含む)。
- 遊歩道の境界が分かりにくい部分には伐倒木を置き、歩行部分には伐倒木の枝をウッドチップにして敷くなどして、できるだけ歩きやすく、かつ安価に作ります。
- 遊歩道の管理基準の目安は、「雨天でなければスニーカーで歩ける」程度とします。(車いす対応は将来の課題とします。)
- 道沿いに看板や巣箱など、楽しい仕掛けを順次設置します。

林内の歩道(ズミの小道の一部)
[恵みの森実施計画書 本文終了]