6-2.山理解部門

(1)部門概要

(2)メンバー

(3)令和2年度の取り組み概要

アピール項目

★若手教員の活躍
(大澤・アピール)日本地すべり学会 第59 回研究発表会にて「地すべり地における多雪年と少雪年の間隙水圧応答の比較」を発表し、若手優秀発表賞を受賞した。

(奥脇・アピール)Earth, Planets and Space(EPS誌)より、査読者の中から優れた査読者を表彰する「EPS Excellent Reviewers 2020」を受賞。https://www.earth-planets-space.org/ja/news-ja/er2020-jp

★学生の受賞
(上野・アピール)第6回山岳科学学術集会にて、学位P所属の藤田氏が学生ポスター賞を受賞した。本研究室では5回連続の受賞となる。

(上條・アピール)山岳科学学位プログラムの修論発表会において勝田翔氏が優秀発表賞を受賞した。また、修士論文の一部が日本緑化工学会誌に掲載された。

(徳永・アピール)指導学生の岡本遼太郎氏が雪氷研究大会2020(オンライン新潟)で発表した「山の思い出を雪の定量的モニタリングに-手持ち定点写真を用いた残雪マップの半自動作成」で学生最優秀発表賞(口頭発表部門)を受賞した。

(廣田・アピール)
指導学生の谷岡庸介氏(山岳科学学位プログラム2年生)がカヤノ平ブナ林で行った修士論文等の内容で生命環境科学研究科長賞を受賞した。

★その他の受賞
(出川・アピール)菌類と藻類相互作用に関する研究内容が評価され、研究室の卒業生(海外学振PDとしてアメリカに留学中)が日本菌学会奨励賞および国際原生生物学会論文賞を受賞した。
https://msc.tsukuba.ac.jp/news20200819/
https://protistologists.org/wiliam-trager-award-2017/

(山中・成果報告)日本水文科学会優秀発表賞受賞(詳細は成果概要を参照)。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jahs/50/2/50_55/_article/-char/ja/


成果概要

(池田・成果報告)学振PDの佐々木夏来氏とともに苗場山に点在する湿原の発達史を探る研究を開始した。

(上野・成果報告)冬季山岳域に大雨・大雪をもたらす低気圧の構造解析をJAXAとの共同研究により実施した。https://doi.org/10.2151/jmsj.2021-024.

(上野・成果報告)世界の山学教育に資する教育プログラムの比較分析をスイスMRIプロジェクトの一環として実施した。https://doi.org/10.1659/MRD-JOURNAL-D-20-00026.1

(奥脇・成果報告1/2)地震時断層すべりと断層形状を同時推定する全く新しい震源過程解析手法を開発した。世界で発生した陸域・海域の大地震へ適用し、国際共同研究を含め、査読付き国際誌にて計6報の論文を出版した。https://trios.tsukuba.ac.jp/researcher/0000004310

(奥脇・成果報告2/2)研究代表者として日本学術振興会科学研究費(若手研究)「稠密地震計アレイで捉える奇妙な地震源の解明」の採択を受けた。地震波形データを用いた、海底下や地球表層で生じる地すべりなど、「地震以外」の地震波励起源の新たな検出法の開発およびその励起メカニズムの解明に関する研究を始動させた。MSC大澤先生、京大防災研、カルフォルニア大学サンディエゴ校、リーズ大学の研究者との国際共同研究を進め、日本の山間部における地震学的未記載の新たな地すべりの自動検出法の開発に成功、査読付き国際誌に投稿し現在査読中。https://doi.org/10.31223/osf.io/3cxqz

(門脇・成果報告)2019年に続いてつくば市宝鏡山麓の水田でヘビ類の種構成と胃内容物を調査した。その結果、シマヘビの生息数の激減とトウキョウダルマガエル等大型のカエル類の検出数が少ないことを確認した。(第59回爬虫両棲類学会口頭発表)

(大澤・成果報告)地すべりにより汀線の後退が激しい北海道の厚岸湾沿岸にて、地すべりのモニタリングを行なった結果、汀線と接続する斜面末端部が波浪により侵食されることで周期的に地すべり変動を繰り返すことを明らかにした。https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/esp.4880

(上條・成果報告)伊豆諸島において、植生、土壌動物、森林動態に関する研究を継続的に行った。成果は学術雑誌1編(Plants)、学会発表9件(予定を含む)(植生学会大会3件、日本森林学会大会1件(予定)、日本生態学会大会5件(予定))行った。また、日本生態学会では、三宅島の火山噴火と生態系回復に関するシンポジウムを主催する。普及資料として、「伊豆諸島の植物」(発行者:伊豆諸島植生研究グループ(代表:上條隆志))を刊行した。
(上條・成果報告)森林性コウモリの生態調査を行い、日本生態学会大会にて共同研究者(生物資源科学専攻、中村夏菜氏)が発表する。

(佐藤・成果報告)
種の分化や維持機構における山岳の役割を解明すべく、西日本の山岳地域において標高による住み分けがみられ、生殖隔離が不完全なススキスゴモリハダニ種群2種を対象とした、進化生態学的研究「半倍数体ハダニにおける生殖隔離の強化」を開始した(R2年度採択JSPS科研費基盤C)。(日本動物行動学会ポスター発表、日本生態学会ポスター発表予定)

(佐藤・成果報告)
欧米で外来種として問題となっているササ・タケ寄生性のスゴモリハダニ類の生物農薬を使った防除を目指して、世界各国で生物農薬として販売されているカブリダニ2種のスゴモリハダニ類の捕食能力を評価した。(日本生態学会発表ポスター予定)

(田村・成果報告)モンゴル国北部のフブスグル地方の高山草原の土壌の生成について明らかにし、その成果を国際誌に投稿した。

(津村・成果報告)中国に分布するスギの変種である柳杉(りゅうさん)の老齢木集団の遺伝的多様性と遺伝構造を調査して、遺伝的多様性は日本のスギと比べると低く、遺伝的分化はかなり大きいことが明らかとなった。これらはスギの過去の分布変遷と人為の影響が強く働いた結果であることが明らかになった。(https://doi.org/10.3390/f11111192)

(津村・成果報告)日本のスギ天然林の遺伝構造と過去からの集団動態を調査した結果、日本スギは大きく4系統に分かれており、特に中国の柳杉と同じ時期に分化したことが明らかとなった。(https://doi.org/10.1007/s11295-019-1411-0)
(津村・成果報告)多雪地帯のスギ天然林の更新実態を調査したところ、伏条更新が多く行われいることがマイクロサテライトDNA解析で明らかとなった。(https://doi.org/10.2478/sg-2020-0020)

(高島・出川・成果報告)菌類の有性生殖を阻害する内生細菌が発見され、その相互作用が解明され、論文公表された。 https://msc.tsukuba.ac.jp/news20200415/

(出川・成果報告)菌類と藻類との相互作用に関する研究プロジェクトの成果として、新属新種や日本新産の複数の担子菌系地衣類が発見され、記載発表される。
https://doi.org/10.1007/s11557-020-01588-2
https:/doi.org/10.1016/j.myc.2020.03.004
https://doi.org/10.18962/jjom.jjom.R01-08


図は、根子岳の中腹にて発見された日本新産の地衣化担子菌類。ネコノコンボウ(”根子/猫の棍棒”)という親しみやすい和名が付けられ公表された。
(出川・成果報告)藻類共生菌、タイ類寄生菌、昆虫腸内菌(酵母や糸状菌)、通性嫌気性水生菌、接合菌類など多様な菌類の分離菌株が公的保存菌株に寄託された。

(徳永・成果報告) 山岳ミラーワールド立ち上げのためのリモート会議(鏡現実SHOW)を開催した。

(廣田・成果報告1/2)
カヤノ平ブナ老齢林において、林分構造の空間不均一性と生産性に関する研究を継続的に行った。葉面積指数の水平・垂直分布の把握と、林床植生(ササ)が森林全体の総一次生産性に及ぼす影響に関する成果を国際誌に計2報発表した。また、関連研究成果を2件、日本生態学会にて発表する予定である(口頭発表)。
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10265-021-01262-y
https://doi.org/10.3390/f11101037

(廣田・成果報告1/2)
2000年の大規模噴火から回復途上にある三宅島において実施途中の科研費「三宅島2000年巨大噴火後の20年間の生態系回復過程」(代表:上條隆志)の分担者として、土壌呼吸および窒素無機化速度に関する研究を継続的に行った。その研究成果を日本生態学会のシンポジウムにて発表する予定である(廣田・上條)。

(町田・成果報告)
英文原著論文(査読有)、6編(内、国際誌5編;国際共著論文5編)
成果を基幹HPに掲載、筑波大学プレスリリースに2件 
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20201215140001.html 
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20201106171424.html

(山川・成果報告)大規模崩壊多発流域(静岡県大井川水系、滋賀県安曇川水系)における降雨流出特性および大規模崩壊の効率的な発生予測手法開発に関する研究を継続的に行った。研究成果計2件について発表予定(第132回日本森林学会大会、日本地球惑星科学連合2021年大会)である。
(山川・成果報告)国土交通省の河川砂防技術研究開発公募(受託研究)「土砂災害における空振りの少ない警戒避難情報の開発に関する研究」として、降雨の既往最大値超過を基軸とした革新的な警戒避難情報提供技術の開発(研究代表者:京都大学・小杉賢一朗)に参画した。https://www.mlit.go.jp/river/gijutsu/sabokadai/theme.html

(山中・成果報告)中部地方の温泉水に含まれる非天水成分の水質及び同位体的特徴を明らかにし、特に内陸山間部に見られる酸素安定同位体比の高い水が海洋プレートの沈み込みと密接に関わっていることを示した(日本水文科学会優秀発表賞受賞)。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jahs/50/2/50_55/_article/-char/ja/

(4)業績

査読有 査読無
論文 学術雑誌 59 0 59
紀要等 3 2 5
解説その他 1 4 5
62 5 69
著書 16
学会発表 国際会議 8
国内会議 102
110
一般講演等 10
その他の活動 10

詳細はこちら:「9.MSC教員業績リスト」

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