令和元年度の山岳科学センターの活動について、例年ならばアドバイザー会議を開催してアドバイザーの先生方から意見を頂きセンター運営に活用する予定でいました。しかし、2020年当初からのコロナ禍によってアドバイザー会議を開催できず、報告書の取りまとめも遅れたことから、各アドバイザーの先生方に2020年度の報告書を送付して、コメントをいただいた。以下に各アドバイザー委員のコメントを記載しておきます。
各アドバイザーからは建設的な意見を多くいただいており、山岳科学センターとして各委員の意見に丁寧に対応する必要があることを再認識しました。センター教職員はセンター運営だけでなく、教育、研究にも取り組んでいます。その中で報告書作成に当たっても、見やすさや、理解のしやすさに配慮して作成を行う必要があります。次年度もアドバイザー委員のご意見を取り入れてセンターの活性化や発展に取り組んでいきたいと考えております。
各フィールドステーションの特色を踏まえた拠点化を進め、その中から「とんがった」成果を出せるよう体制を整えていることに敬意を表します。特色ある井川演習林の活用、研究推進のため砂防・治山、防災拠点化に関連し、国際テニュアトラック助教として、地震学の分野で優れた成果を挙げている奥脇助教が着任されたことで今後の活躍に期待します。
機能強化研究費については山岳科学センターの将来を考えて、重点的に配分されているとは認識しています。各演習林においてJaLTERの加入を進めるなど、今後の運用と成果に期待します。
(対応)今後も組織の活性化のために人員や予算の確保の努力を行なっていきたいと考えております。機能強化研究費を今後も確保して、センターの活性化に役立ていきたいと考えております。井川演習林についてはJaLTER加入を行いましたので、その他の演習林についても順次進めてきたいと思います。
山岳科学研究イニシアティブ部門会議の開催により、センターの運営方針や将来の方向性、予算の運用、新たなプロジェクト提案による研究資金の獲得に向けたセンター構成員の連携が図られたのは、今後に向けての一歩前進だと評価します。センターの自己資金が非常に限られ厳しい財政状況の中、機能強化促進費の重点的な配布によるセンター活動の発展への努力が、外部資金の獲得として実を結ぶことを期待しています。
(対応)今後もセンターの活性化のために機能強化費を確保して、大型資金獲得に向けた努力を行っていきたいと思います。
組織に関しては各スタッフの専門性を考慮して、機能的に組織されていると思われます。
設備に関しては井川演習林が提出している「学生実験実習スペースの確保」は必要と思われます。
(対応)井川演習林の「学生実験実習スペースの確保」についても施設要求等で積極的に申請を行っていきたいと思います。
1. フィールドと本学の関係
今回、4つのフィールドについて、活動計画が参考資料として添付された。それぞれについて、目標や課題が明確化されており、わかりやすい。前進したと評価できるが、重要なのはこれらを山岳科学センター全体の活動計画とどう整合をとるのかということ。これが「今後の課題」とされていることについて大変残念。
そもそも、4つのフィールドは、山岳科学センターの付属なのか?、それとも本体なのか。少なくとも、単なる付属施設ではなく、むしろこれら4施設をベースに、本学側のスタッフが支援する形で1つのセンターとして成り立っているという形かと考えられる。したがって、山岳科学4つのフィールドの活動計画がまずは基本ではないか。その、普通の研究所とは異なる組織構造が山岳科学センターの強みでもあるので、「今後の課題」とないがしろにせず、早めに取り組むようお願いしたい。
(対応)山岳科学センターでは4つのフィールドの研究成果をミッションである「山理解」、「山管理」、「山活用」の達成に役立つように努力を行っております。
また4つのステーションは山岳科学センターの本体です。これら4つのステーションを本学の教員も今後もさらに活用して総合的な研究センターとなるようにしていきます。
2. 昨年度、提出した意見について
昨年度提出した意見について今回回答があった。取り組みが進んでいる点が多数あることがわかった反面、一方で、こちらの指摘が勘違いされているように見受けられる点も多い。また、作成時点からすでに時間が経過しており、再度進捗状況を示していただけるとありがたい。
(対応)
組織,運営,予算,施設,設備については,特段の大きな変化はなかったものと思いますが,保有している自動車の中にかなり古いものがあることが気になりました。予算の制約はおありでしょうけれども,環境への配慮や利用者の安全の確保などの点で,(当然お考えのこととは思いますが)更新を早期に実施されることが望まれます。
機能強化促進費は,令和元年についても魅力的な研究に配分されていると感じました。この予算による研究に対しては,ただちに大きな成果を求めているものではないと理解してはいますが,英語論文は投稿中のものが1本あるだけのようで,この予算によって得られる成果をもっと国際誌に投稿しやすくするために,促進費を得た研究に対して,翌年度あるいは翌々年度に国際誌への出版経費(英文校閲代金と投稿料)を提供することもあっても良いかと思いました。
(対応)センター保有の自動車につきましては、施設整備等で更新を順次行っておりますが、十分な予算が確保できていないので更新が遅くなっている車もあるのも事実です。今後も予算化の確保に勤めてまります。また国際誌出版経費補助ついても検討していきたいと思います。
「山岳科学研究イニシアティブ部門会議」を8回開催されたこと、この議論の結果、MSC全体で取り組む共同研究の軸として「地域振興システム」というキーワードを設定されたこと、MSC共同研究プロジェクトとして、4つの重点研究課題を選定されたことに、今後の推進と成果に期待します。この成果が必ずMSCがどのような研究機関であるのか、重要なアピールポイントになるかと思います。
また、長期観測は生態学の基礎であり、継続することにより、菅平が生態学の研究サイトとして世界的に認知されることに、必ず繋がって行くと思います。菅平高原実験所が継続的に対応されていることに敬意を表します。
(対応)今後もセンターの活性化のために努力を続けていきたいと思います。長期観測につきましては菅平だけでなく、八ヶ岳演習林、井川演習林でも継続的に行っていく予定です。
高い研究アクティビティを維持し、さらに、山岳研究センターならではといえる成果の発信、あるいはそうしたアピールの工夫を期待しています。
(対応)国際誌に論文を発表するだけでなく、それらの分かりやい広報も今後も継続して行ってまいります。
受賞した諸研究は将来性のある優秀な論文であると判断されます。
(対応)今後も継続して受賞できるように研究成果を挙げていきたいと思います。
【4本の重点研究】
1. 昨年、山岳科学センターの研究者が、まとまって取り組める共同研究を行うべきという提案をした。MSC共同研究プロジェクト(重点研究課題)が4つのテーマ(以下、4本の重点研究といいます。)が選ばれたと言うことで、センターの運営上、大きな成果であり、評価できます。
しかし、残念ながら、その設定の経緯については、報告書に詳しくは記載されておらず、不明確。通常の研究と異なり、山岳科学センターの今後につながる重点研究だからこそ、どのような将来「戦略」を前提にして検討を進めたのかなどを、明文化しておくべき。(参考資料2がそれらしいが、添付されているのみではなく、説明がいる。)
(対応)重点研究課題設定の経緯の概略については、昨年度の年次報告書の「2-1-2 MSC共同研究プロジェクト(重点研究課題)の立案」に記載の通りです。どのような将来「戦略」を前提に検討を進めたかについてですが、構成員全員に対して実施した、千曲川水系あるいは大井川水系で参画可能あるいは実施できる研究プロジェクトに関するアンケートの結果から、様々なキーワードを抽出し分析を行った結果、「地域振興システム」という共有できる1つのキーワードに行き着きました。これを「将来戦略」の前提として、多くの構成員が無理なく参画でき、しかも将来の発展性や波及効果等が期待できる魅力的な研究課題として、4つのテーマが選定されました。
2. 致命的なことに、報告書には、この4本の重点研究の内容について記載が無い。「ポンチ絵」(よく使う用語だが、報告書の中で堂々と使うのはどうか??と思います。)は添付されているが、これではわからんものはわからない。特に、おそらく「双方向ミラーワールドの構築」に関するものと思われるポンチ絵は、イメージばかりでそこから内容が読み取れるものではない(このようなポンチ絵で、どうやって重点研究を絞り込んだのかも大変疑問)。報告書中に、業務成果の1つとして、5~10行でいいので、それぞれの重点研究の簡単な概要くらいはまとめて掲載すべき。(そもそも、本来であれば、4本の内容自体が外部評価されるべきであろう。)
ポンチ絵を掲載するだけで済ませるなど、センター運営者の意識が相変わらず低すぎる。どうしてこういう手抜きをするのかな、と言わざるを得ない。
(対応)4つの重点課題については令和2年度の報告書で研究申請書と報告書を掲載させていただきました(詳細はこちら:「5-2. 研究活動実績」)。昨年度の報告書では採択に至る過程で使用したプレゼンファイルをそのまま掲載してしましました。この点については分かりづらいことになり大変申し訳ございません。
3. 4つの重点研究(内容はわからないが)と3つの分野(山理解、山管理、山活用)との関係が不明確。今回添付された、昨年度のコメントに対する回答の中に、4つの重点研究は山管理と山活用分野のものというような記載があった。であれば、山理解分野はどうなるのか。山理解分野の報告は、昨年同様個人単位で優れたものがあるものの、ただ集めただけで、研究センターという体をなしていない。研究でなくても山理解分野が1つになるような、「何か」が必要。
(対応)山理解分野につきましては多くの研究者がおり、それなりの研究成果が出ております。しかし、ご指摘の通り山理解分野が1つになるような課題が必要になると思います。特に菅平は山理解に関する多くの成果を上げていますので、このステーションを中心に課題を設定していきたいと思います。
4. 各フィールド毎の活動計画ですが、菅平施設の活動計画は非常に素晴らしいと思います。そこに目標として書かれている3つの総合研究課題と、山岳科学センターの4本の重点研究の関係が気になります。4本の重点研究のうち、1~2本は、この3つの総合研究課題に寄与するものでなくてはならないのではないかと思いますが、そうなっていますか???
(対応)今年度に各ステーションの方向性を再度、イニシアチブ会議で検討して内容を修正しおります。その中で重点課題の山岳県・長野県における野生動物・外来生物の集団動態評価および管理のための研究基盤整備~遺伝解析から農村研究までPart IIが菅平の総合課題の(2)One-Earth 進化史・集団動態解明に寄与します。
5. 同じように、4本の重点研究と各演習林の関係性が気になるところ。4つのうちのいくつかは、菅平施設・演習林の地の利を生かし、出来れば他学の同様なフィールドとも連携できるようなテーマが重点研究としてふさわしいと思われる。(重点研究の全てがそうあるべきと行っているわけではないが、山岳科学センターの特性を考えると全てがそうでないのはいけない。)
(対応)4つの重点課題のうち、「流域内の多様な立地における土砂管理に向けた土砂動態のプロセス解明」は井川演習林で主に研究する課題です。これらで基礎データが蓄積された後は、大型予算に申請することと、スケールアップなども考えて他の演習林などのフィールドも活用を検討致します。
6. また、国際的に高い評価を受ける大学を目指す筑波大学の施設であれば、当然、論文の引用が多くなされるような研究を育てて行かなくてはならないが、そのシーズとして4本の重点研究がふさわしいものであることを期待する。逆に、重点研究にはしっかり予算と労力を配分し、一方で中間評価もしっかり行い(研究中断もあり)、今後の研究拡大に取り組んでいただきたい。
また、4本の重点研究を進めていく上での評価のスキームは決まっているのか?
(対応)重点研究課題にはできるだけ予算を確保して配布していきます。また中止も含めた評価はイニシアチブ会議で行う予定ですが、各重点課題の最終目標は大型予算の獲得ですので、それに向けた努力をしていきます。
7. 個々の重点研究にコメントします。前述の通り「双方向ミラーワールドの構築」に関するものと思われるポンチ絵は内容が読み取れるものではないのですが、唯一「Traveling without Moving」から類推するに、すでにコロナ禍下で商品化されている外国旅行や修学旅行などと同様のものを考えているのか、またバーチャルリアリティの活用などを考えているのか、、といったところでしょうか。これらは実用化されており、また、デジタル技術の開発をする訳でもないでしょう。・・で、何を研究したいのか、これから大きな研究にどうつなげていくのかがわかりません。(ちなみにVR技術を活用して都内で国立公園の風景を展示することを実用レベルで2~3年前に検討したのですが、結局やめました。)
なお、ポンチ絵に引用されている資料には私自身も関わったものがありましたが、国立公園の専門家としてはコメントのしようが無く、「ちょっとでいいので勉強した方が良い」とアドバイスさせていただきます。
(対応)コメントをありがとうございます。課題担当者に伝えて今後の課題の方向性に生かしていきたいと思います。
8. 次に「茅」ですが、テーマとしては地味ですが、文化財や里地景観保全の分野でニーズもあり、造園学などで、すでに取り組んでいる方々も多いです。つまり、先行する競争相手も多いので、山岳科学センターの強みを生かして、どう差別化するかが重要です。大型研究化につなげることが出来るのかどうかについても戦略が必要です。
(対応)コメントをありがとうございます。課題担当者に伝えて今後の課題の方向性に生かしていきたいと思います。
9. 次に「土砂動態のプロセス解明」については、スライドが「基盤整備」しか無く研究についての言及がありません。ただ、「演習林を生かす」という意味では、この路線が王道で、確実かと思います。ただ、他の同様な演習林やスライドに示されている事業実施機関などとも連携して、戦略的に研究としての膨らみを作る必要があります。
(対応)コメントをありがとうございます。課題担当者に伝えて今後の課題の方向性に生かしていきたいと思います。
10. 最後に「野生動物」ですが、、、近年、大きな進歩が見られる分野であり、また、山岳科学センターで継続的に行われている研究でもあり、着実な成果が見られ、大型研究化も含め今後が期待されます。
なお、「ポンチ絵」は学生のものを未整理のまま流用するなど、姿勢については「どうかと思います」が。
(対応)コメントをありがとうございます。課題担当者に伝えて今後の課題の方向性に生かしていきたいと思います。
【元年度の機能強化推進費について】
11. 元年度の機能強化推進費について、私の関連分野についてコメントします。
「八ヶ岳の林間タワー」については、JaLTER登録への布石となり、山岳科学センターの国際化に寄与し、評価できます。
(対応)八ヶ岳の林間タワーについては電源も確保してあるため、今後も継続して活用を行なっていきます。
12. 「保健休養機能」については、結果的に幅を持たせてしまい、何がしたいかよくわかりませんので、相乗効果を得るような戦略が必要です。また、ツーリズム分野については、ヨーロッパアルプスにおける山岳ツーリズムが、我が国において同様の展開が難しくモデルとはならない状況であることから、成果を国内で「山業」として活用しやすいように工夫していかなくてはならないかと思います。
(対応)頂いたコメントを課題担当者に伝えて、今後の研究に生かしていくように致します。
13. 「長野県における野生生物、、」についてですが、先に述べたように良い研究で、今後の応用も期待されますし、今後の大型研究化も期待したいと思います。
(対応)頂いたコメントを課題担当者に伝えて、今後の研究に生かしていくように致します。
14. 白馬の「トレッキングツーリズム」については、当方は当該施設の管理者であったこともあり、研究の結果は従前より実感としてわかっていたことですが、調査研究として数値を拾ったことはなく、ありがたいものです。白馬村・小谷村はもちろんのこと、環境省信越自然環境事務所にもフィードバックしていただければと思います。なお、ゴンドラ運営会社としては、サイトシーイング型を増やしたいはずで、今後はその対応策の検討が求められているはずですが、そこにつながってないことは残念です。
(対応)頂いたコメントを課題担当者に伝えて、今後の研究に生かしていくように致します。
【各部門について】
15. 山理解部門についてですが、それぞれの構成員による研究はますます発展があるようですが、個人としての成果はともかく、部門としての成果はどうなのかという点については、昨年同様よくわかりませんでした。
(対応)各研究部門については分かりやすいように部門の見直しを行う予定でおります。
16. 山管理部門については、山理解部門との重複が目立ち(どちらかと言えば山理解部門ではと思われるものが目立ち)、自己評価は良いようですが、少し割り引かなくてはなりません。西之島について書かれていますが、あれは環境省の調査ですが、モニタリングのスタートであって、成果が上がるのは20年後、50年後、100年後です。全体としては昨年の報告書に比較してきちんと書かれていて、わかりやすくなっています。
(対応)各研究部門については分かりやすいように部門の見直しを行う予定でおります。西之島については調査が再開されましたら、今後も継続的な調査を行い、長期的な視点で成果を上げていきたいと思います。
17. 山活用部門については、山業の創生に向けて着実に進んでいる点は評価できる。しかしながら、この分野は出口戦略が明確である必要があるが、その辺は甘いのではないかと思われるものもあり、それぞれ良くご検討いただく必要があろう。
(対応)各研究部門については分かりやすいように部門の見直しを行う予定でおります。出口戦略を明確にして研究を進めたいと思います。
各部門の研究については,令和元年度も例年のように実に多様で多数の研究論文・発表の蓄積が進みました。複数教員が学会賞を受賞されていて,個々の研究は例年と同様に素晴らしいと思います。今後もこれらを継続して進めていただくことがセンターとしては重要であると思います。ただ,やはり「センターの研究」として一つのまとまった総合的な研究があると,さらにセンターの存在意義・プレゼンスもあがり,山岳科学の発展に寄与できるようになるものと思います。
一方で,全国級研究拠点化を2022年度末,すなわち2年後に想定されていますが,他大学の実習・ゼミ演習の受け入れや卒論研究の実施受け入れなどが今年も行われていること以外に,全国級研究拠点化への準備が特にはっきりとは目に見えていないように感じます。2年後の実現を目指すには来年度が極めて重要になりますので,全国級研究拠点化に向けて来年度は具体的な足下固めをきっちりと進めていただくことが重要かと思います。
(対応)全国級研究拠点化につきましては、今年度にワーキンググループ作り、議論を行っています。これまでに2回の会議を行いました。その結果、まだ研究の実績の蓄積が十分でないと考えて、4年後あたりを目処に申請を行うべく、大型予算の獲得、研究論文の増加に向けて努力を行っていくこととしています。
コロナ禍の先が見えず、実習や教育プログラムの運用に苦慮されているかと拝察しますが、向学心の高い受講生が多いことに鑑み、厳しい状況の中での実施について、模索していただきたい。
山岳科学学位プログラムにおける尽力に敬意を表したいと思います。教育研究の成果は、山岳科学学術集会における優秀口頭発表賞として、以下の成果として明らかになりました。今後のさらなる発展に期待しています。
(対応)今後も引き続き、高度な教育ができるように努力して参ります。
センターと学位プログラム参加大学、機関との連携を強め、参加する学生にとっての魅力を高めることを期待します。次の社会貢献に書くように、地域での協同などももっと進められるとよいと思います。
(対応)今後も参加大学や機関とさらに連携を密にしていきたいと思います。特に菅平では学生が常駐していますので、地域との協同を行っていきたいと思います。
井川演習林の「トムソーヤキャンプ」出張は新たな発展と思われます。井川に来る静岡市内の小中学生の自然教育に参加指導することは、演習林の役割として大変期待されるものです。静岡市は南アルプス・ユネスコエコパークを活性化させるために、演習林による援助が期待されています。
(対応)今後も井川演習林の活性化のために静岡市、静岡県および関係機関と連携を密にしていきたいと思います。
山岳科学学位プログラムの活動と相まって、非常に充実した、多様な科目が設けられており、学外者の参加も進み、着実に実績があがっている。高く評価できる。
新型コロナ感染症の問題もあるが、可能な範囲でインターンシップの受け入れなど協力していきたい。
(対応)引き続き山岳科学学位プログラムとさらに密に連携して高度な教育を継続したいと思います。インターンシップが再開されましたら、よろしくお願いいたします。
山岳科学学位プログラムの(アジアの拠点としての)国際化およびダブルディグリー化には大いに期待をしています。
(対応)コロナ禍が収束しましたら、現在、ペンディング状態になっている国際化をさらに進めて参ります。
菅平の地元である長野県上田市と連携協定を締結することにより、「地域課題に適切に対応」し、「活力ある個性豊かな地域社会形成と発展に寄与する」ための取り組みを始められたことに敬意を表したいと思います。今後はさらなる信頼関係を築き、地域になくてはならない菅平高原実験所を目指していただきたい。
MSCスタッフの専門分野のみではなく、新たに地域の課題である野生鳥獣の問題などに取り組みを始められたことに敬意を表したいと思います。地域の課題に取り組むことで信頼関係を構築し、上田市にとどまらず、長野県、周辺の市町村などとの関係強化も進めていただきたい。
(対応)引き続き地元との連携を強化して社会貢献に寄与して参ります。
長野県上田市との連携協定のもとでの活動の持続、発展に期待します。地元長野大学や信州大学との連携による教育プログラムやイベント開催なども視野に入れてはいかがでしょうか。菅平湿原や稲倉の棚田の保全など良い材料が上田市には揃っていると思います。
(対応)引き続き地元との連携を強化して社会貢献に寄与して参ります。
山岳科学センターが上田市と連携協定を締結したことは高く評価できる。特に菅平高原実験所が観光分野で協力することは、新たな分野への発展的な進出と思われる。八ヶ岳演習林(川上演習林)においては、昨年成立した甲武信・ユネスコエコパークの発展・充実のために、大いにその協力が期待されている。
(対応)引き続き地元との連携を強化して社会貢献に寄与して参ります。八ヶ岳演習林についても、現在、地主と連携を深めるべく打ち合わせを始めております。
菅平、各演習林において、着実に社会貢献活動が根付いている。特に菅平においては、上田市との協力関係など、観るべき物がある。また、各演習林も限られたマンパワーの中、努力している。4施設のマンパワーは乏しく、筑波本学のスタッフが、4施設の取り組みをどのように支えるかが重要。その点が見えないことについて、今後見える化するとともに、さらなる協力を重ねていく必要がある。
(対応)引き続き地元との連携を強化して社会貢献に寄与して参ります。今後は本学からのサポートも強化して参ります。
地元感謝デー,教育研究成果の社会還元,小学生への出前講義,市民向けの講座など,ひじょうに多くの活動のリストが報告書の316〜324ページにあり,圧倒されます。筑波大学実験林が付属病院とリワークデイケアプログラムを提供しているとのことで,コロナ禍の中で,来年度(以降),市民と山・森と健康の新たな関係の模索・確立が求められているのではないかと思います。山岳科学センターは,野外における学生教育・研究だけでなく,市民との連携や市民への活動の還元など,多岐にわたる場面で,ポスト・コロナ/ウィズ・コロナ社会における人と山との新しい関わり方を全国の教育研究機関に対して発信してゆく役割を担っていると思います。
(対応)引き続き地元との連携を強化して社会貢献に寄与して参ります。
これまで多くの国際的研究プロジェクトを担当されてきた町田龍一郎先生が退職され、今後の計画推進の再構築が必要かと思います。MSCスタッフは多くの任に当たっているため、あまり前のめりにはならずに、堅実な推進を期待します。山岳科学学位プログラムにおける国際化などとも併せ、将来計画の構築から進めていただきたい。!
(対応)留学経験のある教員も複数おり、海外との共同研究も進めておりますので、国際化をさらに発展させていきたいと思います。
日本は山国であるが、標高の高い環境での研究および「山と人とのつながり」についての研究が少ない。したがって、すでに研究が多くなされている諸外国の研究者を交えて、国際シンポジウムを行ったことは高く評価できる。これは日本の中部山岳地域において、今後参考になる情報交換の場となった。
(対応)昨年度と今年度はコロナ禍で国際シンポジウムは、実施しておりませんが、コロナ禍が就職しましたら、また再開して国際化をさらに進めていきたいと思います。
国際テニュアトラック制度による奥脇亮先生の専任助教への採用のように、今後山岳研究をけん引し、国際的な研究ネットワークのコアとなる人材の登用に期待します。
「山と人のつながりを考える国際シンポジウム」のような国際シンポジウムについては、Webの活用などにより国際シンポジウムを開催しやすくなった現在、山岳研究の推進と同時にセンターのプレゼンスを示すためにも、継続的な開催による国際交流を期待します。
(対応)コロナ禍の中、オンラインで国際シンポも考えましたが、昨年度と今年度は実施しておりません。対面での交流を行い、信頼関係を構築し、将来の共同研究に発展するようにしたいため、コロナ禍が収束したら、すぐに国際シンポを再開したいと思います。
1. 演習林についてもjaLTER参加を進めたとのことは、国際化の第一歩として評価できます。今後は、国際的に注目されるサイトになれるよう、着実なデータ蓄積・公表や研究の取り組みをよろしくお願いします。
2. 国際的な交流相手として、ネパールが含まれないのが不思議です。不確かな記憶で恐縮ですが、ネパールには国際的な支援を受けて運営される山岳研究所があったはずです。
フィールドとしても優れていますし、途上国支援という観点からも、研究のシーズは多いと思われます。
(対応)ネパールについても今後、交流先を探してみたいと思います。
国際シンポジウムの実施や共同研究の推進など,コロナ禍の中にあっても一定の成果が認められます。
(対応)引き続き国際化に努めて参ります。
「山岳科学センター」という組織が存在しなくてはできない活動、貢献を積極的にアピールして、認知度を高め、研究資金を獲得し、さらに活動を拡大するというサイクルを作る戦略が一層必要だと思われます。難しいとは思いますが、組織を立ち上げた以上、頑張ってください。
報告書については、年度の活動や成果の簡潔な報告と資料編という構造を意識して編集(バインディング?)した努力の跡が感じられますが、相変わらず何度も目次を見直さないと流れを把握しにくいものです。改善を期待します。
(対応)今後もセンターの活性化については最大限の努力をして参ります。また報告書に関しては、その書式、コンテンツなどを大幅に改訂しました。
井川演習林に関しては多くの学生・研究者らが参加・利用できるように考えていただきたい。近隣の都市にある大学が積極的に参加できるように、井川地域の自然の魅力を各大学に情報発信してほしい。大井川上流は地学・生物学・在来植物学分野を学ぶ材料が豊富です。また、近年リニア新幹線の工事による自然の改変が計画されている。井川演習林は地域貢献の一分野として、この分野に積極的に参加していただきたい。
(対応)引き続き、井川演習林の活性化のために予算と人員を獲得し、井川演習林の治山、砂防の拠点になるように努力してまります。
1. 報告書の体裁
毎年言う小言で申し訳ないですが、以前よりは相当改善されたとはいえ、未だに番号のふり間違いや、フォントの違いなど、半日集中して直せば直せるようなケアレスミスがたくさんあります。
また、番号のフリ直しを省略するためか、番号自体を省略して工夫しているようですが、読む方の立場に立っているとは言えません。ただ、通しページがついて、目次があるのは評価できます(当たり前のことですが)。
できあいのパワーポイントを何の工夫もなく掲載していたりするのもどうかと思います。
(対応)毎回、申し訳ございません。本年度は報告書に関しては、その書式、コンテンツなどを大幅に改訂しました。
2. 昨年のコメントに対する対応
報告書とは別に、昨年の報告書への外部アドバイザーのコメントへの対応をまとめたものが添付されていました。高く評価します。しかし、相当な項目で誤解があったのは問題です。直後に作られたもののようですから、残念ながら対応に要する時間も無く、指摘を受けて即対応が可能なものには対応していただいたと言うことはありますが、一定数のものは、今後の努力を記載、我々の錯誤に対する指摘、説明不足の追加説明、そしていいわけになってしまっていて、こういった点、時間を使っての対応結果について、現在の段階で、改めて説明を受けたいと感じました。是非よろしくお願いします。
(対応)今後は誤解のないように進めていきたいと考えております。限られた人員で山岳科学センターを運営しておりますので、ご助言に十分応えられていないところもあると思いますが、センターの活性化に繋がることは取り入れて努力していたいと考えております。引き続きよろしくお願いいたします。
シンポジウムや講演会などをオンライン(あるいはオンラインと会場のハイブリッド)でもっと全国(あるいは全世界)に向けて企画していただけると,山岳科学をより多くの人に理解してもらうことができるようになり,かつセンターのプレゼンス向上にも繋がると思います。
(対応)昨年度はコロナ禍で国際シンポジウムは開催できませんでしたが、今後はオンラインや国内シンポジウムなどを含めて開催を検討していきたいと考えております。