MSCの教育活動の軸となる「教育関係共同利用拠点事業」および「山岳科学学位プログラム」は、引き続き新型コロナウィルス感染拡大の影響により制約を余儀なくされた。しかしながら、前者においては、計7実習において学外生を受け入れる形での実習が開講された。また、後者においては、計8実習の関連実習がMSCフィールドステーションを活用する形で実施された。制約の中、感染症予防措置やオンライン化をはじめとするMSC構成員の様々な工夫や連携により、各教育プログラムの提供に取り組んだ。特に、「教育推進プロジェクト支援事業」によって、全4フィールドステーションを中心に、デジタル学修コンテンツの拡充に取り組んだ。
山岳科学学位プログラムは、筑波大学・信州大学・静岡大学・山梨大学の４大学が連携する大学院（博士前期課程）として2017年4月に開設された。2020年度は下記の通りの構成教員が教育に携わり、科目が開設された。本プログラムの詳細は下記のwebサイトにて公開されている。
https://mountain-studies.tsukuba.ac.jp/
本事業は、マンパワー不足や新型コロナ感染症問題によってMSCフィールドステーションとしての機能を十分に発揮しきれていない状況を改善するため、全4ステーションにおいて、自己学修ワークシートの開発およびそのコンテンツ整備を行うものである。最終年度として、本事業で取り組んだ成果として、以下の教材をMSCのウェブサイト、MSC動画YouTubeチャンネルから、公開した。即ち、レベルIの専門的な学生・院生向けから、レベルIVの児童向けまで、専門性の異なる４段階それぞれに応じた自己学修教材（実習内容の紹介や自然観察会等の動画コンテンツ・動画に対応したワークシート・自然観察テキスト・図鑑冊子等）である。またそれ等の教材作成の基盤をなす標本や計測データなどの整備も格段に進んだ。本事業はこれで終了となるため、後継事業として、フィールドICTミュージアム構想を検討している。