7-2. 八ヶ岳演習林
(4)令和2年度の活動概要
令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当林で実施してきた学内と学外の実習の多くが中止もしくは他林で実施された。これとは逆に、他林で実施してきた実習の代替受け入れがあった.当林で継続的に行なっている学類生や大学院生、学内外の研究者の受け入れはこれまで通りに行ない、研究支援を行なった。しかし、宿舎の三密回避のため、利用人数の制限があり,利用者の不便を生じさせた.全国演習林協議会での共同研究受け入れが開始された。
事業活動として、八ヶ岳演習林の乾燥化対策としての導水路設置、土地境界部の環境保全を実施した。川上演習林では、地上権設定契約延長が迫る3−4林班の地権者との協議を進め、10月に現地説明会を実施した。また、下草刈りなどの森林施業を実施した。構内(恵みの森)に関しては、これまで通りの整備を実施した。特に事務管理棟と宿泊棟の24時間換気,飛沫防止シートの導入、共用部の消毒といった新型コロナウイルス感染防止対策の実施を行なった。野外活動施設の建立を行ない、雨天時や大型サンプル処理などを実施できるようにして、研究教育施設の充実を行なった。遊歩道の整備と、防犯対策の強化を行ない,安全で快適な環境提供を目指した。
八千穂高原ICから長坂ICまでの未開通部分が含まれる中部横断自動車道の延長部分に、八ヶ岳演習林の一部がその工事範囲に含まれている。主体事業者との連絡協議を継続的に行なっている。また、演習林独自の環境モニタリングのための体制構築を開始した。
(5)施設利用実績
(5-1)施設利用者数
概要と詳細はこちら:「5-3. ステーション利用実績」
(5-2)施設を利用した実習
計16実習(公開実習:0、受託実習:2、その他:14)
詳細はこちら
実習例
(5-3)施設を利用した研究
業績
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査読有 |
査読無 |
計 |
論文(MSC教職員の内数) |
学術雑誌 |
6(5) |
0(0) |
6(5) |
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紀要等 |
2(2) |
0(0) |
2(2) |
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解説その他 |
0(0) |
1(1) |
1(1) |
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計 |
8(7) |
1(1) |
9(8) |
著書(MSC教職員の内数) |
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9(9) |
学会発表(MSC教職員の内数) |
国際会議 |
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0(0) |
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国内会議 |
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7(7) |
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計 |
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7(7) |
一般講演等* |
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0 |
その他の活動* |
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3 |
*MSC教職員のみ
詳細はこちら:「9.MSC教員業績リスト」; 「10.ステーション利用による研究業績リスト(MSC教員外)」
研究テーマ
【MSC教職員・学生利用】
- 津村 義彦(教授)全国スケールの相互移植による気候変動が樹木に及ぼす影響モニタリング調査
- 上條 隆志(教授)小型森林哺乳類の生態
- 山中 勤(教授)森林降水の同位体比観測
- 清野 達之(准教授)森林の更新動態
- 津田 吉晃(准教授)森林樹木の集団遺伝学および過去・将来の個体群動態の推定/分子生態学手法を用いた森林の管理および保全/人間活動が森林生態系に与える影響とその歴史
- 廣田 充(准教授)ダケカンバの産地別生育試験、森林における土壌有機炭素蓄積量の高精度推定に関する研究
- 上野 健一(准教授)森林気象
- 守屋 繁春(准教授)局所森林植生シミュレーションへのデータ同化を目指した観測技術の先行的試験
- 杉山 昌典(技術専門職員)小型樹上性哺乳類ヤマネ等の生態観察技術の開発
- 井波 明宏(技術専門職員)地域植物相の解明・絶滅危惧植物の保全
- 坂巻 孟(院生)長野県川上村のカラマツ人工林における皆伐が樹上性小型哺乳類の生息に与える影響
- 蔡 一涵(院生)全国スケールの相互移植による気候変動が樹木に及ぼす影響モニタリング調査
- 楠 健志(院生)森林気象
- 渡邊 敬太(院生)種内倍数性を持つ緑化植物の遺伝的地域制に関する研究
- 吉沢貴行(院生)森林降水の同位体比観測
- 荒木 響子(学生)全国スケールの相互移植による気候変動が樹木に及ぼす影響モニタリング調査
- Ragini Sarmah(学生)全国スケールの相互移植による気候変動が樹木に及ぼす影響モニタリング調査
【学内利用(MSC教職員・学生以外)】
- 外国人技能実習制度の期間延長と特定技能制度1号の導入による滞在年数の長期化がもたらす、農業経営体における規模拡大に与える影響についての研究(筑波大学・生物資源学類学生)
【学外利用】
- カッコウの托卵に関する研究、モズ類の移動・換羽に関する研究(フリーランス)
- モミ属を加害するキクイムシ類の調査(東京都立大学・助教)
- カラマツ林とミズナラ林へのフェノロジー観測(長野県環境保全研究所・研究員)
- カバノキ属の花粉生産量に関する研究(京都府立大学・教授・常勤講師、琵琶湖博物館・学芸員)
- 森林土壌調査(京都大学・教授・院生)
- ダケカンバ植栽試験地におけるフェノロジーと呼吸、クロロフィル蛍光の調査(静岡大学・准教授、学生)
- 八ヶ岳演習林の宿舎周辺において、イネ科植物およびイカリソウに寄生するサビキン類の発生状況調査(慶應義塾大学)
- 土壌環境条件の違いが土壌微生物相と有機物分解活性に及ぼす影響評価(東邦大学・准教授)
- サワラ林の林分動態に関する研究(信州大学・准教授、院生、学生)
- 森林における土壌有機炭素蓄積量の高精度推定に関する研究(神戸大学、岐阜大学、東京農業大学、日本大学・教授、准教授、専任講師、院生)
- 自然観察(東京教育大学・OB)
(5-4)社会貢献活動
概要と詳細はこちら:「5-4.社会貢献活動実績」