６－５．技術職員活動

（１）メンバー

（２）今年度の活動概要

今年一年をふりかえって

井川演習林

井川演習林では砂防、水文、生態学等の調査研究を実施している他、教育研究活動として、卒論や修論の調査補助や他大学や南アルプス財団からの研究者受け入れ、実習利用等の利用者対応業務を実施している。また、令和2年度より静岡県からの受託調査として、南アルプス高山地域でのニホンジカの試験捕獲業務を実施している。
通常業務として総合気象観測や水文観測の観測施設の維持管理、演習林の森林管理を実施している。2023年度には防鹿柵の破損によりニホンジカの食害が発生するなど今後の対応に向けた対応が課題である。

八ヶ岳演習林

八ヶ岳演習林は、３つのフィールドを活用した実習や調査・研究について、協力、提供、利用者の利便を図るため、通常管理を含めて継続的に整備を行っている。恵みの森・構内：年1回の環境の日を設けた。全スタッフで道路境の整備を行った。川上演習林：本年度の林道草刈は請負に出した。地権者を交えて、将来像について相互理解の構築を図りたかったが、お互いの都合も合わず、見送った。八ヶ岳演習林：タイムラプスカメラを用いた植生の長期動態モニタリングが始められた。関係教員、学生とともにカメラの設置等に協力した。中部横断道の通過予定路は、概ね定まったが、工事に着手するとしても10年先くらいになるとのことだった。
2月下旬に発生した雨氷、その後の降雪は、樹木に影響して、多量の幹と枝折れとなった。次年度にかけて整備を進める。
技術職員自身の活動も含めて、次年度以降に向けたヤマネの調査許可の申請や、地元の希少植物（タルマイスゲ）の保全に向けたボランティアの取り組みにも協力した。

筑波実験林

里山関連のステーションとして教育研究に一層活用されることを目標に整備を進めている。今年度は5月から新型コロナ感染症が5類に分類されることを受けてほぼコロナ前の水準で授業や実習を実施することができた。新たな事業としては茨城県からの委託で筑波山由来のブナの育苗を行っている。植物見本園でのナラ枯れ防除を2021年からについては学生の卒研として昆虫トラップを設置したためサポートを行った。今年度はナラ枯れによって枯死した樹木はなかった。また、一昨年度実験林内にアライグマの生息が確認されているため、自動撮影カメラによる哺乳類調査と罠によるアライグマ防除を継続して実施した。通常業務に加えて業務が多様になり業務量が増加しているので適正な状態になるよう調整していく。

菅平高原実験所

今年度もナチュラリスト基礎講座を開講した。11名の新規受講生を迎え、様々な活動を通し経験を積んでいただき、その中の6名がノルマを達成し「ナチュラリストの会」に加わることになった。「ナチュラリストの会」とは、◆標本の日、◆湿原での外来種除去（菅平中学校総合学習）、◆大明神寮の柿渋塗り、◆柿渋作りなどで協働作業している。それ以外にも社会貢献活動のサポート、樹木園の銘板取り付けなどにも尽力いただいている。「ナチュラリストの会」はもはや当実験所には、無くてはならないスタッフの一員であり、今後も相互に助け合って活動していきたい。
構内の環境整備も適宜進めている。一度整備が終わった外周フェンス沿いも数年で繁茂した状態に戻ってしまうため、新たな作業機械の導入も検討しながら、管理方法等を検討していく。
ボイラー及び温水循環ポンプの故障も頻発した。関係各所の協力により大事にまで発展する前に修理することができた。宿泊棟の個別暖房のモーター故障も発生し始めたため、全体的な補修計画を検討する必要がある。

（３）今年👀だった取り組み

『菅平生き物標本展』を開催した。「ナチュラリストの会」の全面協力の元、大明神寮では100年以上前の植物標本や哺乳類の頭骨標本、菌類標本の展示などを行い、実験研究棟では、植物標本作り、顕微鏡を使った昆虫の分類、顕微鏡を使用した観察などを体験していただいた。（菅平高原実験所）
当日の様子
https://msc.tsukuba.ac.jp/news20231109/
https://msc.tsukuba.ac.jp/news20231110-2/

（４）業務内容

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