フィールド施設

八ヶ岳演習林

八ヶ岳演習林

八ヶ岳演習林という組織の中に、3つのフィールドがあります。
野辺山ケ原南部に恵みの森(事務所構内、14 ha)があります。恵みの森の2 kmほど北西には狭義の
八ヶ岳演習林(80ha、以下、「八ヶ岳演習林」はこちらを指す)が、4kmほど南東には川上演習林(189ha)があります。
これらの場所には、サクラソウ、ヤマネ、ヒメギフチョウなどの希少生物が生息しており、
森林・寄生菌・土壌・水文等の教育・研究が行われています。

八ヶ岳演習林

八ヶ岳の主峰赤岳の東山麓に広がる標高1400~1450 mの緩傾斜地にあります。ミズナラ・カンバ類を主とした天然林が大部分を占め(約90%)、その中にハシバミなどの低木が混ざり、林床の多くはミヤコザサに覆われています。これらの広葉樹林を保全する方針です。
地質は、中生代の堆積岩及び新第三紀の火山岩類によって構成され、八ヶ岳の噴出物、山麓砂礫層で覆われています。表層には黒色森林土が分布し、水はけや通気性がよくありません。こうした土壌と林内に大きな渓流がないことから、凹地や小溝が湿りやすく、ヌマガヤを主とする中間湿原が点在します。周囲は主に戦後に開拓された農地となっています。

恵みの森

標高1350mにあり、管理棟や宿泊棟などの周辺部に遊歩道を整備し、山菜採りやきのこ狩りも含む一般開放がされています。人に利用される落葉広葉樹中心の若い林を増やしながら、地域の草花や森と木の恵みを感じられる体験型の野外施設を目指しています。

  • 恵みの森01
  • 恵みの森02

川上演習林

川上演習林は関東山地の最西端の標高1360~1790 mの範囲にあります。カラマツを主体とする人工林(約70%)で、残りはミズナラ・カンバ類で占められる二次林です。演習林の稜線は長野・山梨両県境であると同時に太平洋側・日本海側の分水嶺となっています。林内には千曲川上流の支流矢出川の分流である三沢に注ぐ開析谷が5本あるため、山腹面に崩落等による移動堆積土壌が分布しています。地質は中生代の粘板岩等の堆積岩よりなっていますが、その上には飯盛山火山の安山岩等が堆積し表層は安山岩の風化物や火山灰を母材とする褐色森林土および黒色森林土に覆われ、土壌構造も発達しているため八ヶ岳演習林に比べて人工林施業に向いています。森林経営計画によるモザイク林誘導型の小面積分散皆伐(更新伐)作業が実施されています。

川上演習林-ヤマネ

筑波大学山岳科学センター
八ヶ岳演習林(恵みの森/八ヶ岳演習林/川上演習林)

〒384-1305 長野県南佐久郡南牧村野辺山 462-4
TEL:0267-98-2412 FAX:0267-98-2397

E-MAIL : yatsuen@msc.tsukuba.ac.jp
https://msc.tsukuba.ac.jp/ens/yatsugatake.html

アクセス

JR野辺山駅(小海線)から、徒歩20分。

筑波大学山岳科学センター八ヶ岳演習林