フィールド施設

登録有形文化財 大明神寮

筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所「大明神寮」は、前身である東京教育大学理学部附属菅平高原生物実験所に、昭和40年(1965年)に宿舎として建てられた建造物です。

本建築物は菅平高原実験所構内の中央やや北西に位置し、木造平屋建て、トタン葺き(瓦棒葺き)屋根、外壁はトイレ等が、廊下の突き当たりには食堂・厨房・風呂が配置されています。宿泊室は、宿舎としての合理性をもとめ、二間続きになっていて、大小の部屋として使い分けることができ、また、出窓の下部に収納スペースが設けられています。

大明神寮は菅平高原実験所において、長年の間、野外教育・研究を培ってきた重要な建造物です。建築以来、大明神寮は東京教育大学、筑波大学の教職員、学生の研究や野外実習・実験の際の宿舎として利用され、近年では自然観察会などの社会貢献活動の拠点としても活用されています。

大明神寮の建築物としての特徴

  1. 宿舎として合理的につくられた建築物です。
  2. 建築的な特徴でもある出窓で構成された南面の美しい立ち姿は、軽快で透明感があり、菅平高原の象徴である根子岳と四阿山という背後の風景と一体となって秀逸な景観を形づくっています。
  3. 菅平高原が、合宿や研究・研修などの中心地として大きく発展した背景には、滞在を可能とする宿舎の存在が大きかったことから、大明神寮は大学附属施設の歴史だけでなく菅平高原の歴史をも伝える重要な建物です。
  4. 大学の出先附属施設内に大明神寮のような歴史的建造物が現存している事例は稀で、全国的に見ても貴重な建築遺構です。

これらをふまえて「有形文化財建造物」としての登録申請を行い、『建築されてから50年以上の歳月が経過している「大明神寮」は末永く保存すべき建造物である』との文化庁文化審議会の答申を受け、登録有形文化財として平成30年3月27日に登録されました。

この登録を受け、大明神寮を、本実験所および本学が野外教育・研究活動を精力的に展開してきた証として大切に保存していくとともに、建物とその風景を末永く残しつつ、菅平高原実験所の事業展開や、菅平高原の文教・学術的な発展の歴史を明らかにする建築遺構として地域の観光振興にも活かせればと思います。

大明神寮の登録有形文化財登録にあたっては、信州大学工学部土本俊和教授、梅干野成央准教授、信州大学工学部建築学科、上田市教育委員会他、ご関係の皆様に多大なご協力、ご支援をいただきました。

大明神寮保存活用計画

令和2年度~令和3年度「国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金」〔大明神寮建造物保存修理(登録有形文化財公開活用)事業〕の国庫補助を受け、菅平高原実験所では「大明神寮保存活用計画」をとりまとめました。同計画書は大明神寮の文化財(建造物)としての価値を明確にし、その保存、公開、活用に向けた基本方針となります。

パンフレット

大明神寮の柿渋塗り

菅平高原実験所では大明神寮の維持および保存を目的として、毎年一回、防虫効果や防腐効果があることで知られる柿渋を建物外壁に塗布しています。

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