森林総合実習2023が行われました。

初日はオリエンテーションで学生宿舎利用の注意点や安全用具(ヘルメット・皮手袋)の使い方、安全講習で使用用具の使い方等の説明をしました。

引き続き木材解剖の講義が行われました。

二日目・三日目は一班が間伐作業体験で森林材積の計測の後、枝打ち体験、伐倒体験、チェンソーによる玉切作業で樹幹解析用の円盤のサンプリングを行いました。

そしてもう一班が午前中に植物解剖、午後は八ヶ岳演習林で広葉樹林の毎木調査を行いました。

今回の実習からスマート林業として森林3次元計測システムOWL(アウル)を使用した森林構造解析を経験していただきました。※本学で数台目の貴重な装備で、その詳細の一端をご紹介します。

2022年度の学群教育用設備整備等事業で採択された「森林科学教育のためのスマート林業へのデジタル測量環境整備」で導入したOWLを今年度は森林総合実習で活用しました。

間伐前に事前に立木の胸高直径と樹高を測定して、立木密度や材積量の推定を行います。



では、OWLで測定してみましょう。オレンジ色の装置からレーザー光が照射され、3次元で森林のスキャンを行います。

これをOWLシステムで処理すると、3Dデジタルでコンピュータで再現できます。

立木に個体番号・樹高・胸高直径が標識されています。

毎木調査の位置図です。緑色が今回の調査地で、丸の大きさがサイズで表現されています。

データはこのように、表計算ソフトに出力することができます。

従来の輪尺での胸高直径測定・ブルメライスやバーテックスなどでの樹高測定で2時間弱の現場測定が、わずか20分でデジタル処理が可能になりました。スマート林業のスマートさが実感できたかと思います。

そして学生たちの感嘆たる表情が印象的でした。

四日目は一班が川上演習林で更新伐地のニホンジカの獣害調査を行いました。

そしてもう一班が下草刈作業体験を行って、午前午後で入れ替わって作業体験をしました。

以上、天候にも恵まれ涼しい高原の環境で無事に実習を終えることができました。