「里山管理実習」をレポート!

8月24日から4日間、山岳科学センター筑波実験林を中心に学内学生向け「里山管理実習」が行われました。

1日目

スイレンの除去をする前に調整池の水質調査を行いました。

きれいに咲いて美しいスイレンですが、水面下では根がびっしり広がっています。浅い箇所にも見えないところに落とし穴(根のない箇所)があるので、指導教員たちも後ろで見守ります。水質調査の後は、足元をとられないよう注意を払いながら長柄のカマでスイレンを刈ります。

その後、水質を計測。pH、EC計、透視度計を使用します。こちらの長い器具では透明度を計測しています。

続いて、調整池の水性外来生物を捕獲するためトラップを設置します。エサは解凍したザリガニ。ザリガニの臭いで誘引します。池の周り5箇所にエサを仕掛けたトラップを設置。さてどんな生物が入るでしょうか。

2日目

車で学内の管理区域へ移動。普段は施錠されて立ち入ることができませんが、調査のため特別に鍵を開けていただき、カメを捕らえるためのトラップを設置します。息継ぎができるよう、トラップは半分浮かせます。エサはお茶のパックにたくさん詰めたドッグフードです。

  

前日調整池に沈めていたトラップを回収し、水生生物の同定、計測を行います。ザリガニ、ドジョウ、ウシガエルなどが確認されました。ザリガニは雌雄と数、重さの確認、魚類は体長、全長と重さを、カエルは雌雄、体長と重さをそれぞれ計測し、生きているものは放逐しました。ザリガニは次回調査のためのエサとして役立ってもらいます。

午後はクヌギ・コナラ林の枝打ち、下刈りを行いました。 スイレン刈りでも使用した長柄のカマを使い、要領を得てくると、力を使わずに手早く下刈りできます。山や森は広範囲なので、少ないエネルギーで広く刈れる技術は必須ですね!蒸し暑い一日でしたが、枝打ち、下刈りを終えると木々の下は風が通り抜け、涼しさを感じられました。

きれいに下刈りをした後は、区画内の木の毎木調査です。1本1本に番号を付け、胸高直径と樹高を測っていきます。学生さん二人が息を合わせ、調査もどんどん進みます。

3日目  

  

前日に仕掛けたカメ用のトラップを回収し、カメ類の同定・計測を行い、以前の調査でつけた標識も併せて記録しました。カメの甲羅の穴が標識です。このカメは以前にも計測されたことがあるということですね。この後カメは元の池に放逐します。

次は一日目に行ったスイレン刈りの効果を期待して、再び調整池の水を採水し、水質の調査を行いました。

午後は前日捕獲したザリガニをエサに『外来生物の駆除』を行います。ブルーギルとバスを釣り上げました。もちろん、これらの魚も計測し、記録します。

4日目

大学を離れ、近くの田んぼで水生昆虫の調査を行いました。

  

用水路には淡水エビ、アメリカザリガニが多数確認され、田んぼの中にはタニシなどの巻貝、ゲンゴロウ類がみられました。 実習室にもどって、見つけた水生生物の同定調査、記録をし、これで野外での実習は終了です。

暑さの厳しい4日間でしたが、無事に実習を終えることができました。