開催報告|夏の自然観察会 ~初夏の草原と森の観察、そして滝へ~
2024年7月13日、菅平高原実験所にて、夏の自然観察会「初夏の草原と森の観察、そして滝へ」が開催されました。このイベントは実験所ボランティアスタッフ「菅平ナチュラリストの会」(以下、ナチュラリスト)が企画しガイドを務め、技術職員3名がサポートしました。
この日はよく晴れ、絶好の観察会日和となりました。一般参加者は29名で、ナチュラリスト19名が分散し、小グループに分かれて出発しました。ガイドを目指して勉強中の「ナチュラリスト基礎講座」受講生も同行しました。
行きは氷期遺存種のツキヌキソウ、クロビイタヤ、カラフトイバラなど菅平を特徴づける植物や、この時期に咲いている花、そのほか様々な自然を見ながら進みました。草原では根子岳と四阿山を望み、菅平高原の成り立ちや、草原から森林へ移り変わるようすをナチュラリストが説明しました。芝地ではルーペを使い、低くかがんで熱心に小さな植物を観察している参加者の姿が見られました。
明るい草原から森林に入ると、心地よい風が感じられました。参加者はツノハシバミ、ホオノキ、ウリカエデなどたくさんの樹木や、クモキリソウ、ジンヨウイチヤクソウなど林内の草を教えてもらいながら歩きました。
道は途中から谷沿いになり、奥へ進むにつれて沢の音が大きくなりました。そして到着した大明神の滝(通常非公開)は、ここ数日の降雨で勢いよくしぶきをあげていました。滝つぼ周辺では水の音で声がかき消されてしまうため、ナチュラリストは手作りの解説板を使い、工夫して説明していました。参加者はガイドの説明を興味深そうに聞いたり、まわりの草花や水辺の生物を観察したりしていました。
帰り道はナチュラリストと参加者が打ち解けたようすで、行きには気付かなかったものをゆっくり観察しながら戻りました。昼近くになり昆虫も増え、草むらではバッタ類がにぎやかに鳴いていました。
参加者からは「小グループでガイドしてもらえたので、後ろの方でも説明が聞こえないということがなく、分かりやすかった」「(ナチュラリストが)小さい花まで見つけ、解説してくれたのがとてもよかった」「これまで、這いつくばうようにして植物を観察したことはなかった。人生が変わるような経験を得られた」といった感想が寄せられました。
このイベントはリピーターも多く、今回も参加者からは非常にご好評をいただけたようでした。終了後にナチュラリストは反省会を行い、参加者の感想をふまえて、今後の観察会をより良くするために話し合っていました。
次回は10月に秋の自然観察会を予定しています。皆様のご参加をお待ちしています。