開催報告|秋の自然観察会 ~秋の草原と森の観察、そして滝へ~
2024年10月19日、菅平高原実験所にて、秋の自然観察会「秋の草原と森の観察、そして滝へ」を開催しました。このイベントは実験所ボランティアスタッフ「菅平ナチュラリストの会」(以下、ナチュラリスト)が企画しガイドを務め、技術職員3名がサポートしました。
事前の予報では雨の心配がありましたが、観察会中に降ることはなく、しかもこの時期としては過ごしやすい暖かな陽気となりました。一般参加者は37名で、県外からお越しの方もいました。ナチュラリスト20名が小グループに分かれて案内し、ガイドを目指して勉強中の「ナチュラリスト基礎講座」受講生も同行しました。
スタートからまもなく、菅平を特徴づける「氷期遺存種」の前をとおり、ツキヌキソウの巾着のような果実、少し葉が色づいたクロビイタヤ、カラフトイバラの赤い果実などを観察しました。ススキ草原では先週から技術職員による刈取り作業が始まっており、草原の維持管理や、奥に見える根子岳と四阿山についてナチュラリストが説明しました。また、芝地にはノウサギの糞がたくさん落ちていて、参加者は動物の息づかいを感じていました。
森林では木々の紅葉と、ヤマブドウ、チョウセンゴミシ、クリなどの果実を見ながら進みました。途中、様々な種類のキノコにも出会え、参加者は歓声をあげていました。
やがて一行は大明神の滝(通常非公開)に到着し、ナチュラリストの解説のあと、参加者は写真を撮ったり、腰を下ろして休んだりしていました。落ち葉や果実を手に取る人、貸し出したルーペで石や倒木を観察する人もいて、参加者は楽しいひとときを過ごしていました。
帰路も、行きには気付かなかったものを見ながら歩きました。そのころにはナチュラリストと参加者はすっかり打ち解け、談笑するようすが見られました。
ところで、今回はいつもより定員を増やしたため、前半に出発したグループと後半のグループが途中ですれ違う場面がありました。観察道が狭く心配もありましたが、ナチュラリストの事前準備の成果もあり、安全に実施することができました。
終了後、参加者からは「詳しく説明してもらえて楽しかった」「キノコをたくさん見ることができた」「初めてルーペを使い、小さな生物を見られて感動した」といった感想が寄せられました。ナチュラリストも「たくさんの質問があり、熱心に参加してもらえてよかった」と話していました。
次回は2月に冬の自然観察会を予定しています。皆様のご参加をお待ちしています。