李知彦さんが生物学学位プログラム学位記授与式で受賞

山岳科学センター菅平高原実験所に足掛け6年間滞在して、この春、博士号を取得された李知彦さんが、めでたく大学院を卒業されました。

去る3月25日、つくばキャンパスにて生物学学位プログラム学位記授与式が執り行われ、李さんは、生物学学位プログラム後期代表として学位記を授与されるとともに、研究群長賞授与、学位プログラムリーダー賞授与と2つの賞を受けられました。李さんは、生物学類4年生の卒業研究来、生物学学位プログラムの前期・後期課程を通して一貫してカマドウマやコオロギといった昆虫と深く関わりを持つ全く新しいカビの仲間「腸内外両生菌類」の研究に邁進してきました。判明してみれば、ごく身近なところにいくらでもいることがわかったものの、人類がこれまで全く認識して来なかったこれら一連の新しい生き物達に名前を与え、その一生を明らかにし、姿かたちの適応的な意味までをも解明して、新しい生態群を提唱した研究が、このように評価されたことは望外の喜びです。

その成果は、即、社会の変革に役立つわけでもなく、国際的に卓越した流行の最先端を行くものでもありませんでした。しかし、真摯に生き物に向き合い、粘り強く探究を進めてきたからこそ達成された新しい真理の解明に対し、李さんは独自性のある新たな哲学を構築したものと認められて博士号が授与されたことを心から祝福致します。また、その成果を積極的に投稿論文、国内外での学会発表により、公表に努めて来たことも評価されたのでしょう。

李さんは4月から1年間、学術振興会のPD特別研究員として次のステップを目指されます。先読みの難しい時代ですが、何が正しいことか、しっかり対象と向き合って、揺らぐことなく真理探究に臨む基礎科学を今後も更に健全に発展させていって欲しいと切に願います。

(文責 出川洋介)

学位授与式会場での李知彦博士
学位授与式会場での李知彦博士(撮影 岡根泉先生)