中部山岳・高山帯が「進化」の舞台に ―高解像度の遺伝子解析により、山岳での遺伝的多様性の創生を解明―

調査した高山と亜高山の池

【研究成果のポイント】
⚫高山帯の池沼に生息する水生昆虫種で,高解像度の遺伝子解析(ゲノムワイドなSNPs解析)を実施
⚫乗鞍の高山・亜高山帯のサハリントビケラ集団間で,遺伝的に大きく分化(生態的差異とも深く関連)
→ 遺伝的多様性の創出(厳しい高山帯の生態系もネイチャーポジティブの舞台となりえる)
⚫中部山岳・高山帯と北海道の集団は,第四紀更新世の気候変動の影響により系統分化
→ 分化した系統の二次的接触により新たな系統が進化
⚫ミトコンドリアDNAの解析では検出されなかった「隠れた交雑帯」の存在が判明
⚫中部山岳に成立した独特な特徴をもつ高山生態系の重要性を確認
→ 単なる氷期の遺存状態ではなく,進化における重要な舞台であることが判明

著者:Hirohisa SUZUKI 鈴木啓久(当時:信州大学大学院 博士課程,現:岐阜県立飛騨高山高等学校)

著者:Masaki TAKENAKA 竹中將起(筑波大学生命環境系/山岳科学センター 助教)

責任著者:Koji TOJO 東城幸治(信州大学)

題名:Phylogeography of a cool-loving caddisfly: analyses of single nucleotide polymorphisms indicate lowland hybridization and highland isolation

掲載誌:Zoological Journal of the Linnean Society 205: zlaf165

掲載日:2026年1月8日

Doi 10.1093/zoolinnean/zlaf165

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