地域研究年報第43号の発刊について

2021年2月、筑波大学人文地理学・地誌学研究会より、地域研究年報第43号が発刊されました。地域研究年報とは、筑波大学大学院地誌学野外実験および人文地理学野外実験の成果をまとめた報告書で、一つの地域において2年間にわたり調査を行い、2年目に報告書を作成するという形態をとっています。

今回の調査地域は、上田市を中心とした長野県上小地域としました。2019年および2020年の秋、それぞれ30名と51名の大学院生が参加して、各研究テーマに関するフィールドワークや討論などを行いました。

本報告書によりさまざまな側面からみた地域性が明らかになることで、そこに住む人々の暮らしに貢献できればと考えています。

地域研究年報第43号の内容

・住民主導型歴史的街並みの再生メカニズム-長野県上田市柳町を事例にして-

・上田市中央商店街松尾町における商業機能の変容

・地方中心商店街における現状と課題-長野県上田市うえだ原町一番街商店街を事例に-

・長野県上田市における食文化の変容-地域ブランド「美味だれ焼き鳥」を事例に-

・上田市におけるロケーション撮影受入の存立基盤

・別所温泉のツーリズム活性化に向けた取り組みとその課題

・上田市上室賀地区における高齢者の居住継続要因-購買・交通サービスの供給と高齢者の食料品調達行動に着目して-

・長野県上田市塩田地域におけるため池群の維持管理と存続

・農村地域における住民の水害リスク認知と避難行動の意向-長野県上田市塩田地域におけるため池の分布に着目して-

・2019年台風19号発生に伴う長野県上田市およびその周辺における鉄道交通の被災と復旧過程

・長野県上田市におけるニホンジカ(Cervus nippon)による獣害とその対策

・長野県上田市における「農民美術」の変容と存立構造

・海野宿における歴史的景観の維持と観光振興の展開

・長野県東御市における小規模ワイン産業の経営戦略と存立構造

・長野県東信地域における自然学校の地域振興に対する機能的役割-エコツーリズムをいかした持続可能な社会の実現に向けて-

詳細はこちら(全文 PDF をダウンロードできます)>> 地域研究年報

なお、今回の調査による成果の一部は、2020年11月に実施した上田市まちなかキャンパスうえだ市民向け講座「上田市ってどんな地域?」にて報告しました(オンラインで実施)。その様子は動画で公開しています。

動画はこちら>> 筑波大学山岳科学センターチャンネル(市民向け講座)