石川県で採集された2種のハゼ亜目魚類 カワアナゴとヒナハゼ
2021.6.11
筑波大学生命環境科学研究科の山川宇宙(生物科学専攻博士課程後期)、筑波大学生命環境系の津田吉晃准教授らの研究グループは、石川県の河川や水路で、主に福井県以南に分布する2種のハゼ亜目魚類、カワアナゴ Eleotris oxycephala とヒナハゼ Redigobius bikolanus を採集しました。カワアナゴは石川県における4、5地点目の記録、ヒナハゼは同県初記録および北限記録となりました。
採集されたカワアナゴは稚魚であり、石川県において本種が越冬および再生産を行っている可能性は低いと考えられます。一方で、採集されたヒナハゼには、成熟している、または間もなく成熟するとみられる個体も含まれ、本種は石川県において既に再生産している可能性が示唆されました。また、ヒナハゼの本州日本海側における記録は、近年増加しており、これには日本海における水温上昇傾向なども関係しているかもしれません。
今後も、石川県も含む本州日本海側において採集調査を継続的に行い、地球温暖化による水温上昇などと関連して、カワアナゴやヒナハゼなどの魚類が北上しているかどうかモニタリングしていくことが望まれます。
タイトル(日本語):石川県で採集されたカワアナゴおよびヒナハゼ
タイトル(英文):The two species of gobioid fishes, Eleotris oxycephala and Redigobius bikolanus, collected from Ishikawa Prefecture, Japan
著者名(和文):山川 宇宙、山下 龍之丞、碧木 健人、津田 吉晃
著者名(英文):Uchu Yamakawa, Ryunosuke Yamashita, Taketo Aoki and Yoshiaki Tsuda
雑誌名:南紀生物
巻数・頁:第63巻 第1号 63~66頁