海山連携実習だより

海山連携公開実習は、筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所にて【山の部】を、筑波大学下田臨海実験センターにて【海の部】の実習を行う二部構成です。しかし、下田臨海実験センターのある静岡県に緊急事態宣言が発令されたことから、大変残念ながら実習は中止となりました。その代替え措置として、長野県の菅平高原実験所にて、希望者を対象にした野外調査を9/6~9/8に実施しました。  

   

1日目(9/6)

到着してすぐに昆虫トラップに餌を投入。


3種類のトラップを4つの高さごとに仕掛け、トラップの種類・高さによって採集される昆虫の組成に違いが出るのかを調べます。

  

林冠タワーに到着。ここに昆虫トラップを取り付けます。

林冠タワーとは、森の葉のほとんどが集まっている森林の上部を調査するために建設された施設のことで、高さは約20m

登る前に林冠タワーを利用する際の注意事項も受けます。

  

いよいよタワーに登ろうとした時、急に大雨が降ってきたので急いでセンターに帰還!

 昼食後雨が止んだので、林冠タワーに再トライです。ハーネスを装着し足元に気を付けながら登ります。

  

林冠タワーの頂上に到着!先ほどまで雨が降っていたことを疑う程の快晴。

  

林冠タワーの上層(18.6m、林冠)、中層(11.3m、枝下)、下層(1.4m、林床の植物が発達)、そして林床(0m)ごとに昆虫トラップを仕掛けました。何が採取できるかは明日のお楽しみ。

    

林冠タワーを降りたら、今度は植物の調査。森林の状態を知るために、樹木の太さ・高さを計測。

  
実験室に戻ると、森林の構造について意見交換しながら予想。今日はこれでお休み!

  

2日目(9/7)


今日も調査日和。道中にて草原の成り立ちや樹木の同定について、先生に教えてもらいます。

  

森林内にて、昨日の植物調査の続き。

小さな植物の幼体を探して同定。

  
調査地内で林床の植物を刈り取り。後で重量を計測。

  
昨日仕掛けた昆虫トラップを回収。主に採集できたのがコウチュウ目、ハエ目、ハチ目。大物も捕れました。(下の写真はコウチュウ目のクロナガオサムシ。)

  

実験室に戻りデータの集計。昆虫の同定、刈り取った植物の重量測定、調査データのグラフ作成等、やることはたくさん。頑張れ!

 

3日目(9/8

最終日。採集した昆虫の保存、今回の調査データに基づいた考察、後片付けを粛々と。

  

以上で、実習の活動報告を終わります!

このコロナ下で野外実習の機会も少ない中、とても貴重な経験が出来たと学生さんも嬉しそうで良かったです。

ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。