大明神寮の柿渋塗り
【2023.5.22追記】メディア掲載について追記しました。
2023年4月27日、菅平高原実験所にて登録有形文化財「大明神寮」の柿渋塗りが行われました。
大明神寮は、昭和40年(1965年)10月、当実験所の前身である東京教育大学理学部附属菅平高原生物実験所に宿舎として建てられ、長年のあいだ野外教育・研究を培ってきた建造物です。宿舎としての合理的な間取り、背後の根子岳・四阿山と一体となった美しい景観、地域の歴史を伝える重要な建物という点から、平成30年3月27日に登録有形文化財として登録されました。
当実験所では大明神寮の維持および保存を目的として、毎年1回、防虫効果や防腐効果があることで知られる柿渋を建物外壁に塗布しています。
この日は教職員および本学学生とボランティアスタッフ「菅平ナチュラリストの会」のメンバーらに加え、初めて一般の方にもSNSを通じて参加を呼びかけ、総勢30名で作業を行いました。市販の柿渋30リットルを手分けして壁面や屋根に塗っていくと、1時間半ほどでつやのある外観となりました。
また、当実験所では出川洋介(生命環境系 准教授)が中心となり、2021年と2022年に柿渋の仕込みを行いました。今回、2021年分の熟成状況が良好に思われたことから、試験的に一部の壁へ塗布しました。今後は経過を観察していくことにしています。
当実験所では、地域の宝である大明神寮を大切に維持し、菅平高原の歴史を示す建築遺構として今後有効活用を図ることにしています。その一環として今年の秋、当実験所が所蔵する標本をテーマにした企画展を大明神寮で実施する予定です。
なお、この日はNHK長野放送局、東信ジャーナル、信州民報、読売新聞による取材が行われ、4月27日放送のNHK長野放送局「イブニング信州」、5月3日発行の読売新聞長野版、5月9日発行の東信ジャーナルで取り上げられました。
信州 NEWS WEB(NHK)>> 国の登録有形文化財「大明神寮」防腐効果ある柿渋を塗る作業
東信ジャーナル>> 上田市菅平高原の筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所が「柿渋」を塗る! ★敷地内にある登録有形文化財「大明神寮」の外壁に。
関連ページ>> 登録有形文化財 大明神寮