開催報告|夏の自然観察会 ~初夏の草原と森の観察、そして滝へ~ 

2023年7月8日、菅平高原実験所にて、夏の自然観察会「初夏の草原と森の観察、そして滝へ」が開催されました。このイベントは実験所ボランティアスタッフ「菅平ナチュラリストの会」(以下、ナチュラリスト)が企画しガイドを務め、技術職員3名がサポートしました。

前日にまとまった雨が降り、当日朝もすっきりとしない天気だったため、直前に多数のキャンセルがありました。予定通り実施するか運営側も悩みましたが、技術職員が早朝にルートの安全性を確認し、また最新の気象予報をふまえて実施可能と判断しました。ただし、状況によってはコース変更することを皆で申し合わせました。

この日は一般13名が参加し、県外から来られた方も複数いました。前回の冬の自然観察会と同様に少人数グループとし、16名のナチュラリストが分散して間隔をあけて出発しました。ガイドを目指して勉強中の「ナチュラリスト基礎講座」受講生も同行しました。

開始時は曇り空でしたが予報ではその後降雨となっていたため、いつもより足早に大明神の滝(通常非公開)を目指しました。途中でこの時期の草花や、菅平の特徴的な植物の話題をガイドが出しながら、しっとりとした林内を抜けて滝へと到着しました。滝では記念写真を撮ったり、倒木に出ている変形菌を観察したり、オオバボダイジュやサワグルミの実生を探したりして、参加者は楽しんでいました。

復路は少しゆっくりと周囲を観察しながら歩きました。参加者と会話しながらグループごとに進み、ウリノキやシャクジョウソウ、ハンショウヅルで足をとめている姿も見られました。後半に一時雨が降りましたが心配していたほどではなく、傘やカッパを出してのんびりと草原のようすなどを観察することができました。

参加者からは「滝が素敵だった」「初めて見る植物がたくさんあり、説明してもらえてよかった」「馴染みのない用語には説明版を出してもらえたので分かりやすかった」といった感想が寄せられました。終了後にガイドも「なんとか実施できてよかった」「参加者の笑顔が見られて嬉しかった」などと話していました。

ところで、今回は定員20名に対し倍以上の申し込みがあり、お断りせざるを得なかった方が多数いました。安全面の観点から定員を大幅に増やすことは難しいですが、いろいろな方に参加いただけるよう今後工夫をしていきたいと考えています。

次回は10月に秋の自然観察会を予定しています。皆様のご参加をお待ちしています。

少人数に分かれて出発
少人数に分かれて出発
リョウブにはつぼみがたくさんついていた
リョウブにはつぼみがたくさんついていた
虫の食痕、通称マシンガンホール
虫の食痕、通称マシンガンホール
林の奥にある大明神の滝(実験地内につき通常非公開)
林の奥にある大明神の滝(実験地内につき通常非公開)
少し休憩
少し休憩
滝の周辺の植物を観察
滝の周辺の植物を観察
オオバボダイジュなどの芽生えがあった
オオバボダイジュなどの芽生えがあった
復路
復路
足元にシャクジョウソウが
足元にシャクジョウソウが
ナチュラリストが草原の植物についても解説
ナチュラリストが草原の植物についても解説
国の登録有形文化財「大明神寮」
国の登録有形文化財「大明神寮」
ルーペで草地の植物も観察
ルーペで草地の植物も観察