画像解析AIを利用して植物の環境応答解析システムを開発~牧野富太郎博士の命名した植物の頑健性を解明~
2023.9.26
筑波大学准教授 田中健太らの研究グループは、野外での植物の状態をモニタリングするAIを利用した画像解析システム(PlantServation)を開発し、色素量の変動を指標として植物の環境応答を解析できる手法を確立しました(図1)。本研究ではNHKのドラマ、連続テレビ小説「らんまん」のモデルにもなった牧野富太郎博士が名付けたことでも知られるタチスズシロソウなどの植物の画像データを400万枚以上収集し、解析しました。その結果、種間交雑に由来する植物が様々な環境に適応する頑健性をどのように示すのかを解明しました。地球環境の変動による食糧生産への影響が危惧される中、実験室内ではなく野外の変動環境における植物の環境応答の研究は近年重要視されています。本研究で開発したAIを活用した研究手法は様々な作物や野生植物へ適用が可能で、生態学、進化学、農学などへの貢献が期待されます。
論⽂情報
タイトル:Seasonal pigment fluctuation in diploid and polyploid Arabidopsis revealed by machine learning-based phenotyping method PlantServation
著者:Reiko Akiyama, Takao Goto, Toshiaki Tameshige, Jiro Sugisaka, Ken Kuroki, Jianqiang Sun, Junichi Akita, Masaomi Hatakeyama, Hiroshi Kudoh, Tanaka Kenta, Aya Tonouchi, Yuki Shimahara, Jun Sese, Natsumaro Kutsuna, Rie Shimizu-Inatsugi, Kentaro K. Shimizu.
DOI: doi.org/10.1038/s41467-023-41260-3
本研究成果は、オンライン国際科学雑誌「Nature Communications」に掲載されます。(日本時間2023年9月22日(金)18時)