東邦大学実習利用報告書より
2024年8月19日~21日、東邦大学理学部生物学科の学部2年生を対象とした野外生態学実習Iが菅平高原実験所で実施されました。提出された実習利用報告書の公開許可に基づき、一部抜粋して報告します。
実習名:野外生態学実習I
担当教員:下野綾子(東邦大学 理学部 生物学科 准教授)
受講人数:7名(学部学生)2名(大学院生)
●実習・セミナーの内容
1.日本の生物相が豊かな要因の1つとして「人間による自然の持続的かつ賢明な利用」があったということをふまえて、半自然草原の重要性や、人の介入による植生への効果について学ぶ。根子岳登山では半自然草原と自然草原の違いや、標高傾度に伴う植生変化について学ぶ。林冠観測タワーを利用して明るいところの葉(陽葉)と暗いところの葉(陰葉)を比較し、植物の光環境に応じた順化について学ぶ。
2.半自然草原においてヒトの利用の程度と植物種数と多様度指数の関係を調べることで、ヒトの適度な撹乱が植物の種多様性に及ぼす効果を学ぶことができた。林冠観測タワーを利用して陽葉と陰葉を採集し、葉面積比と縦横比を算出した。陽葉は陰葉に比べて厚い葉であり、縦横比も変化することが分かり、光の利用性による葉の形態変化を学ぶことができた。根子岳登山では、標高傾度に伴う植生変化を学ぶことができた。
(写真提供/下野綾子准教授)
●菅平高原実験所を利用した感想など
宿泊場所、フィールド、実験室が隣接しているので、大変便利です。また人為操作が植生に及ぼす効果や植生遷移を考えるうえで最適の場だと思います。また林冠観測タワーを利用させて頂けたおかげで、フィールドにもバリエーションを付けられて、充実した実習にすることができました。学生の食材アレルギーにも手厚く対応して下さり大変感謝しております。