開催報告|2025冬の自然観察会 冬の生き物たちと大明神の滝

2025年2月1日、菅平高原実験所にて、冬の自然観察会「冬の生き物たちと大明神の滝」を開催しました。このイベントは実験所ボランティアスタッフ「菅平ナチュラリストの会」(以下、ナチュラリスト)が企画しガイドを務め、技術職員2名がサポートしました。

この日の参加者は29名で、上田市など長野県内のほか千葉や秋田から来られた方もいました。ガイド役のナチュラリストは16名で、ナチュラリストを目指して勉強中の「ナチュラリスト基礎講座」受講生3名も同行しました。

風はほとんどなく穏やかに晴れ、この時期の菅平としては活動しやすい日になりました。まず建物内に集合し、構内のセンサーカメラで撮影された動物の動画(YouTube【動物】センサーカメラより(2019.7~11))を見てもらい、それから3つの班に分かれて出発しました。

観察会がスタート
観察会がスタート

ちょうど前々日から前日にかけて雪が降ったため、新雪のうえにウサギやキツネなど、いくつもの足あとがついていました。足あとのほかにも、落葉期によく目立つヤドリギ、オニグルミの冬芽、真っ赤な果実のついたカンボク、リョウブの滑らかな幹など、この時期に見やすいものを観察しながら進みました。また、貸し出したルーペを使い、樹皮についた地衣類も観察しました。

キツネとウサギの足あと。途中から重なっている。
キツネとウサギの足あと。途中から重なっている。
ズミについたヤドリギ
ズミについたヤドリギ
ルーペで地衣類を観察
ルーペで地衣類を観察
動物の足あとや冬芽を見ながら進む
動物の足あとや冬芽を見ながら進む
観察道は、一週間前にナチュラリストたちが雪を踏み固めて歩きやすい状態に
観察道は、一週間前にナチュラリストたちが雪を踏み固めて歩きやすい状態に
日当たりがよい場所では雪がとけていた
日当たりがよい場所では雪がとけていた

そして一行は、実験地内につき通常非公開の「大明神の滝」に到着しました。参加者は歓声を上げ、「凍った滝を初めて見た」と喜ぶ方もいました。迫力のある巨大な氷の前で、参加者たちは嬉しそうに記念撮影をしていました。1月に菅平としては暖かい日があったためか昨年に続き今年も氷の層がやや薄く、中を流れる水の音がよく聞こえました。

大明神の滝(実験地内につき通常非公開)
大明神の滝(実験地内につき通常非公開)

復路も観察を楽しみながら歩きました。途中、リスやキジに出会えたグループもいました。

観察会を終えて参加者たちは、「動物の足あとがいろいろと見られてよかった」「シラカンバの種子のかたちが面白かった」「凍った滝がすばらしかった」などと話していました。

参加者が解散した後、ナチュラリストは反省会を行いました。「ガイド同士で協力しながらできた」「初めてのガイドで緊張した」「良いペースで進むことができた」といった感想があり、これからも参加者に楽しんでもらえるようなイベントにするため意見を出し合っていました。

次回の観察会は7月の予定です。皆様のご参加をお待ちしています。