開催報告|2025秋の自然観察会 秋の草原と森の観察、そして滝へ
2025年10月11日、菅平高原実験所にて秋の自然観察会「秋の草原と森の観察、そして滝へ」を開催しました。夏、秋、冬と、1年に3回実施する自然観察会は実験所ボランティアスタッフ「菅平ナチュラリストの会」(以下、ナチュラリスト)が企画しています。今回はナチュラリスト20名がガイドや受付など運営にあたり、技術職員2名がサポートしました。
このイベントには、定員を大幅に上回るお申し込みをいただきました。34名が参加予定でしたが当日の体調不良などがあり実際に参加した方は24名で、上田市など長野県内のほか東京や千葉から来られた方もいました。
受付のあと、全体で3つのグループに分かれて出発しました。参加者数名にナチュラリストが一人つき、目にとまったものを個別に説明したり、グループ全体に向けて解説したりしながら進みました。

草原には霧が立ち込めていて根子岳と四阿山は見えませんでしたが、幻想的な風景のなか、ナチュラリストがカラフトイバラや草原について解説しました。


林の縁では色づいたツタウルシやヤマブドウの葉、マユミやカンボクの赤い果実などを見ることができました。


森の中には大小さまざまなキノコが生えていました。参加者がホコリタケの頭部を押すと、胞子がほこりのようにふわっと飛び出しました。


やがて「大明神の滝(通常非公開)」に着きました。周囲のサワシバやトチノキは黄葉し、オオバボダイジュの果実がたくさん落ちていました。参加者は説明を聞いたり、滝つぼの周りを歩いたりしていました。なかにはガイドと記念撮影をする人もいました。



帰路では参加者とガイドが打ち解け、楽しそうに会話するようすが見られました。行きには気付かなかった果実に喜ぶ人、熱心に植物の質問をする人、ルーペで地衣類の観察をする人など、それぞれの視点で楽しんでいました。




この日は天候に恵まれず、小雨が降ったりやんだりの一日でした。しかし観察会では誰もが天気を気にしないようすで、植物に触れ、写真を撮り、ガイドにたくさん質問していました。参加者は「気持ちよく歩いた」「普段は気付かないことを知ることができた」「自然に興味が湧いた」「また違う季節に来たい」など話していました。スタッフの反省会では「雨が強くなくてよかった」「グループ同士の時間調整に課題がある」「自作の資料がよかった」などの声が上がりました。
次回の観察会は2月の予定です。皆様のご参加をお待ちしています。