動物分類学野外実習をレポート!
9月14日(月)~18日(金)、動物分類学野外実習(学部生対象)および節足動物学野外実習(大学院生対象)が、菅平高原実験所にて行われました。担当教員は八畑謙介講師(筑波大学生命環境系)、佐藤幸恵助教(同)、町田龍一郎特命教授(同)です。
当初、この実習は全国の学部生および大学院生を対象とした公開実習としていましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため予定を変更し、定員を絞っての実施となりました。そのため受講生は8名と例年より少なくなりましたが、昆虫32目の特徴を学んだり、野外で採集したものを標本にしたり、スケッチしたりするなど、みな熱心に取り組んでいました。
ここでは写真とともに、行われた実習の様子をお伝えします。
(2021.3.18 追記)本実習について動画を公開しました>> 令和2年度「動物分類学野外実習」動画公開中
15日は敷地外に出かけ、早速昆虫を探しました。ここはイシノミの採集ポイント。主食の緑藻のあたりを探します。
このクリの木にはナナフシがよくいます。葉をめがけて網を振ると捕まえることができます。
川へ移動しました。川底を網でさらうと、落ち葉などと一緒に水生昆虫が見つかります。
トビケラやカゲロウの幼虫たちが次々に。プラナリアもいました。
16日の様子。採集した昆虫は、それぞれに適したやり方で標本にします。チョウの展翅(てんし)の仕方や、トンボの標本作製方法などについて、詳しい解説がありました。教えるのは講師の武藤将道さん(日本学術振興会特別研究員PD)。
たくさんの針を使って形を整え、乾燥させます。このように丁寧に作製して、長く美しく保ちます。採集地などを記載したラベルも忘れずに。
土壌の表面付近にも小さな生物が多くいます。ツルグレン装置に土壌を入れて上部の電球をつけ、トビムシ・コムシ・ダニなどが下に落ちてくるのを待ちます。土壌は初日(14日)に採集しました。
16日の午後は敷地内で採集。カンボクの葉の裏にはアザミウマがよくいますが、この日はなかなか見つかりませんでした。写真は講師の山本鷹之さん(愛媛大学理工学研究科環境機能科学専攻)。
大明神の滝(通常非公開)に到着。滝の音を聞きながら昆虫を探します。
石をひっくり返し、ガロアムシを探します。
ある石をどかしたら、大量の食べかけの栃の実を発見! ネズミが集めた?
17日は、これまでに採集した昆虫を調べたり、スケッチしたりしました。
また、班に分かれ、昆虫全32目のうちどれだけ採集できたかを競いました。
作製した標本は、標本箱に並べると自分だけの宝物に。
小さな虫たちは小瓶に入れて、液浸標本としました。
顕微鏡で観察しながらスケッチをして終了。お疲れ様でした!
(写真・文/山中)