お茶の水女子大学実習利用報告書より
2022年9月21日~24日、お茶の水女子大学の植物生理学実習が菅平高原実験所で実施されました。提出いただいた実習利用報告の公開許可に基づき、一部抜粋してご報告します。
実習名:植物生理学実習
担当教員:岩崎 貴也(お茶の水女子大学基幹研究院 講師)
受講人数:11名(学部学生)
●実習・セミナーの内容
本実習では、菅平高原実験所内の草原や森林を活用し、自然界における植物の生態・多様性について、主に植物分類・多様性や群集生態的な観点から学ぶことを目的とした。最初に、菅平高原実験所内に生育する植物の多様性について学ぶために、採集と押し葉標本の作製を行った。また、遷移段階の異なるアカマツ林と落葉広葉樹林で植生調査を行い、統計解析ソフトであるRを用いたデータ解析も行うことで、遷移に伴って植物群種がどう変化するかについて学んだ。最後には、この実習で得られた成果について班ごとに発表を行った。
●実習の成果
1日目は実験地内で植物採集を行い、200枚近い押し葉標本の作成を通して、菅平高原に生育する様々な植物種について学ぶことができた。2日目はアカマツ林と落葉広葉樹林で合計5箇所の調査プロットを設置し、各プロットに生育する植物の違いや特徴についてデータを取得した。3日目は実習室でコンピュータを用いた解析を行い、2日目で取得したデータについて群集生態学的な解析を行うことで、プロット間での種多様性や群集組成の違いを明らかにした。実習で得られた成果全体は、各班でパワーポイントのスライドにまとめ、最終日に30分程度の発表とディスカッションを行うことで、全員の理解を大きく深めることができた。
●菅平高原実験所を利用した感想など
実験・研究棟、宿泊棟ともに大変綺麗にかつ使いやすく整備されており、とても快適に実習を行うことができました。また、森林内も歩きやすく、調査しやすくて良かったです。植物相データを実験所のHPで公開してくださっていたのも大変助かりました。新型コロナウイルスの感染を心配しておりましたが、しっかりとした感染対策を実験所全体で実施されており、安心して過ごすことができました。本当にありがとうございました。